カンフー・パンダ2
2011年/アメリカ
脚本家にも見放されたシェン大老
総合
70点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
時々、作品そのものは完璧であるにも関わらず、何故か更なる注文をつけたくなってしまう作品がある。『カンフー・パンダ2』も、子供向けの作品としては申し分がないのであるが、子供向けであることが却って枷になってしまい、本来描きたかったことが描けなかったのではないのかと感じた理由を記しておきたい。
『カンフー・パンダ2』のメインテーマは主人公であるポーの‘自分探し’である。ポーは敵方のオオカミが装着していたカブトのシンボルを見て、自分の過去が気になりだす。結局は、ポーは両親に捨てられたわけではないことが分かり、‘心の平穏(inner peace)’を獲得して‘トラウマ’は解消されることになる。
しかし問題は、両親に関して‘トラウマ’を抱いているキャラクターがもう一人いることである。世界支配を狙っている孔雀のシェン大老である。ひたすら合理性で物事を考えて行動した結果、自分の命を脅かすと予言されたジャイアントパンダの殲滅を試み、その破滅的行動に恐れをなした両親がシェン大老を国から追放したという物語は、ポーの物語と対を成している。そして、もともと性格が穏やかなポーは‘心の平穏(言い換えるならば、破滅的行動を制御する超理性的制約)’を獲得出来ることは容易に想像がつき、今までも描かれてきたものであるが、シェン大老のような性格のキャラクターがどのようにすれば‘心の平穏’を獲得できるのかということを、正式にはクレジットされていないが、実は脚本に参加しているチャーリー・カウフマンが描きたかったことなのではないのかと思う。
テレビ界、視聴率至上主義の愚昧:月尾嘉男(東京大学名誉教授)(Voice) - goo ニュース
絶対に見逃せない記事を少し長いが引用しておきたい。「今年3月、ベトナムの山岳地帯
に滞在したが、数チャンネルしかない放送で多数の韓国映画が放送されていた。韓国政府
が無償で提供している作品とのことである。しばらく前まで、ベトナム戦争のときにアメリカ軍
と一緒に闘った韓国は、ベトナムでもっとも嫌われていた国であったが、現在ではもっとも
好意をもたれる国に変わったとのことである。」フジテレビの韓国番組の“偏向放送”を
とやかく言っている方々がこの記事を読んで、ベトナム人は数チャンネルしかないテレビ局
による韓国番組の“偏向放送”によって韓国に好意を持つように“洗脳”された証拠がここに
あるというのならば、日本の番組が韓国のみならず、世界のテレビ局で流れるように日本の
テレビ局に少ない予算を有効に活用して良質の番組を制作するように訴えるべきなのだ。