MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』

2014-10-11 00:01:35 | goo映画レビュー

原題:『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』
監督:大友啓史
脚本:藤井清美/大友啓史
撮影:石坂拓郎
出演:佐藤健/武井咲/伊勢谷友介/蒼井優/神木隆之介/江口洋介/藤原竜也/福山雅治
2014年/日本

クライマックスが「グダグダ」であることの秀逸さについて

 相変わらずのアクションシーンもさることながら、この2部にまたがった大作をどのように終えるのか大いに見ものであったのだが、なるほどと納得させられる「グダグダ感」だった。
 クライマックスの舞台は志々雄真実が所有する大型甲鉄艦「煉獄」である。そこへ主人公の伝説の“人斬り抜刀斎”と恐れられた緋村剣心と、彼の友人である相楽左之助、元・新撰組三番隊組長で維新後は警官を務めている斎藤一、そして江戸幕府を守り続けた御庭番衆の最後の御頭だった四乃森蒼紫が集う。緋村剣心と志々雄真実の一騎打ちではなく、4人がかりで真実と対峙しなければならなかった。つまり幕末から維新を経て新政府を樹立した過程において生み出された怨念の塊である志々雄真実に対しては、剣術の達人である剣心だけではなく、江戸幕府をそれぞれの役割で支えていた2人に、庶民を代表する相楽左之助が加わり、グダグダの闘争を経て辛うじて勝利を手にすることで自ら蒔いたタネである怨念の塊を雲散霧消させ、新時代を迎える日本を怨念の支配から守るという暗喩として秀逸だと思う。
 とにかくあっという間に終わったという印象で、もちろん面白いという意味なのだが、だったら『るろうに剣心』(大友啓史監督 2012年)を観た時に抱いたサウンドトラックの問題は何だったのだろうかと思う次第である。


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