原題:『Non-Stop』
監督:ジャウマ・コレット=セラ
脚本:ジョン・W・リチャードソン/クリス・ローチ/ライアン・イングル
撮影:フラビオ・ラビアーノ
出演:リーアム・ニーソン/ジュリアン・ムーア/ネイト・パーカー/ミシェル・ドッカリー
2014年/アメリカ・フランス・カナダ・イギリス
字幕版を観る理由について
主人公の航空保安官のビル・マークスは妻と幼い娘を亡くしていたのであるが、それはビルに怪しさをまとわせるとしても、キャラクターに深みをもたせるものではない。しかし本作はなかなか犯人が分からない良作のサスペンス映画であるから、それは些末なことなのである。因みに原題の「ノンストップ」とはニューヨークからロンドンまで止まらずに直通の飛行機のことを指している。
ビルが幼い少女のベッカを励ますために自分の娘の形見のリボンを結んであげた際に、ベッカはビルに「私を味方につけたいの?」と字幕で訳されたセリフを言うのであるが、実際のセリフは「あなたは私を贈賄しているの?(Are you bribing me?)」であり、少女なのにませた言葉を使うところが面白いのである。だから私はなるべく脚本の面白さを知るために吹き替え版ではなく字幕版を観ることにしているのである。
似たような作品として『フライトプラン』(ロベルト・シュヴェンケ監督 2005年)があるが、少女の行方をモチーフにした『フライトプラン』の方がまだ丁寧に撮られていると思う。