MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE 2 サイキック・ラブ』

2014-10-22 00:04:09 | goo映画レビュー

原題:『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE 2 サイキック・ラブ』
監督:佐久間宣行
脚本:佐久間宣行/森ハヤシ
撮影:風間誠
出演:劇団ひとり/福士誠治/中尾明慶/柄本時生/上原亜衣/近藤芳正/伊藤英明
2014年/日本

 「命がけ」だからこそ生まれるアドリブについて

 ラストシーンにおいて、主人公の川島省吾は脳がむき出しになって配線でつながれている自分自身の頭をモニターで見せられる。つまり今の自分は自分の脳が創り出している幻想で、それは見世物として流れていると近藤芳正に告げられるのである。
 自分の「命がけ」の行動が見世物でしかないという事実に愕然とする川島省吾ではあるが、だからこそアドリブというものが「生きる」というアイロニーが上手く描かれているように思う。
 「生涯最高のキスだった。これ以上気持ちいいキスは二度とできないと思う。」という川島省吾のキスの相手が誰だったのかということは言わずにおこう。森山直太朗の「五線譜を飛行機にして」という主題歌が無駄に良いとしても、良いのだから良いとして、相変わらずの劇団ひとりの天才にはうならされる。私が「ヨルタモリ」に期待していたことはこのようなアドリブだったと思う。そしてアドリブとは若さの特権なのかもしれないと思い至るのである。


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