MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ミスター・ベースボール』

2014-10-09 00:36:32 | goo映画レビュー

原題:『Mr. Baseball』
監督:フレッド・スケピシ
脚本:ゲイリー・ロス/ケヴィン・ウェイド/モンテ・メリック
撮影:イアン・ベイカー
出演:トム・セレック/デニス・ヘイスバート/高倉健/高梨亜矢/塩屋俊/穂積隆信
1992年/アメリカ

高倉健の「存在感」について

 日本のプロ野球とアメリカのメジャーリーグの違いや文化のギャップなどを面白おかしく描写するつもりでいたのであろうが、アメリカ人はともかく、日本人にはなかなかその面白さが伝わってこないように思う。日本のプロ野球には引き分けという制度があるが、メジャーリーグにはないことは分かっているが、例えば、中日と広島の試合において、9回までに6対2で広島が勝ったはずなのであるが、まだ試合が続くという特異な現象は本作だけで、実際にはありえない。おそらくボードに書かれていた文字が漢数字だったために監督が勘違いしたのか、あるいはフィルムのつなぎ間違いなのかもしれない。
 見逃し三振をした選手をグラウンド上で叱責する監督もいないと思うが、1991年まで中日ドラゴンズの監督を務めていた星野仙一をモデルにしているのだとするならば、ないことはないのかもしれない。しかし本作をコメディ映画にさせなかった原因はつまるところ高倉健にあるように思う。実際に、ポスターでおどけてみせる高倉健の痛々しさは見ていられない。


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