原題:『First Cow』
監督:ケリー・ライカート
脚本:ケリー・ライカート/ジョナサン・レイモンド
撮影:クリストファー・ブローヴェルト
出演:ジョン・マガロ/オリオン・リー/トビー・ジョーンズ/ルネ・オーベルジュノア/ユエン・ブレムナー
2019年/アメリカ
「束の間の最盛期」について
1820年代の西部開拓時代のアメリカが描かれているのだが、およそいわゆる西部劇とは似て非なる作品で、多様な人種が登場し、牛が群れることもなく、むしろ一頭の牛を巡る物語であるし、主人公のフィゴウィッツ(=クッキー)とキング・ルーは牛乳でお菓子を作って「一攫千金」を狙うという有様で、そもそも画面自体が西部劇で使われるシネマスコープではなくほぼ正方形の画面なのである。
ところでこの二人の主人公は約200年後に並んで白骨化して発見されるのであるが、これはよくよく考えると不自然で、例えば眠っている間に殺されるようなことがなければあり得ないのである。因みにジョナサン・レイモンドによって書かれた原作の小説のタイトル『The Half Life』とは「束の間の最盛期」という意味である。
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