原題:『未来少年コナン』
監督:佐藤肇
脚本:今戸栄一
出演:小原乃梨子/信沢三恵子/山内雅人/青木和代/永井一郎/家弓家正/吉田理保子
1979年/日本
「核戦争」後の「戦争」について
今となっては2008年7月に核兵器を上回る「超磁器兵器」の戦争が起こり、地球が大変動に襲われ、五大陸はことごとく沈んでしまうという設定に違和感が残るが、後の宮崎駿監督の『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)や『風の谷のナウシカ』(1984年)の原型が見られることは間違いない。
それから20年後の2028年に、「未来少年」と謳われながら「野生」を信条としている主人公のコナンと「おじい」と呼ばれる老人が住んでいた「のこされ島」やラナという少女が住んでいた「ハイハーバー」など、緑や土で覆われた島と、人類征服の野望をもつ行政局長レプカが住む「インダストリア」という、鉄や石で覆われた島による、「大衆」と「寡占」のどちらにも傾く自然エネルギーである太陽エネルギーを巡る攻防が展開する。
一瞬、びっくりするようなシーンがある。「インダストリア」の地下に閉じ込められたダイスやジムシィとコナンが再会するシーンにおいて、コナンの後を追いかけてくる老人(写真左)は、その後、「インダストリア」の住民の蜂起にも加わることになる(写真右)のであるが、この老人は死んだはずの「おじい」にそっくりで、今ではこのような「キャラクター被り」はあり得ないだろう。