畏友の手土産を漸く食した。伊勢名物、貝の旨煮。今日封を切った「つぼやき」が、赤ニシで貝本来の旨みを損なわない味付けが見事だ。そば焼酎の水割りを飲みながら、パクパク口に入れた。
以前参宮あわびを送ってもらったことがあり、その味と「せきや」の名は頭にしっかり残っていた。大きな桐箱は「美しくに 菊」という詰め合わせだった。デキる男は芸が細かい。
手土産ほど気を遣うものはないだろう。私は自分が食べたことのない物は持って行かない主義である。「これは多分気に入ってもらえよう」と思える品のみを持参する。それが相手への礼儀だと考える。
しかし、時間の関係でどうしても用意できないこともある。そんな時はもみじ饅頭にする。広島で暮らしたことのある人には大抵喜ばれる。安くておいしい広島名物ナンバー1かもしれぬ。