寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

下町の一膳飯屋で聞いた話

2007年12月06日 | 日記

私が飯を食っているところへ老人が入ってきた。「失礼します」と言って隣に座り、350円の焼きうどんを注文した。話し方と身のこなしから昭和一桁生まれと思われた。だらしない60代とは全然違う。

彼はうどんをある程度食べて箸を置き、店主である老婆に話しかけた。

「繊維ビルの店は今年で閉めるとこが多いみたいじゃ」

「来年の2月頃から取り壊しかね」

「そうよ。新しいビルが建つ。伏見町の再開発の方は全くすすまんが。わしが生きとる間には終わらんわw」

「ほほほ。繊維ビルの取り壊しの方が先になるとは思わなんだね。ゴネるんがおるからどうしようもないんじゃろ。伏見町がきれいになる頃には私も生きちゃおるまーw」

「わしらーはとても無理じゃが、お兄さんは大丈夫よ」

「はー。まぁ、どうでもええですがね。この街はいつまで経っても垢抜けないと思いますよw」

私の毒舌に二人は大笑いした。その元気さを見てあと五年は生きるような気がしたのだった。

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柳田邦男 / 壊れる日本人 ケータイ・ネット依存症への告別(新潮文庫)

2007年12月06日 | 書籍
「便利さを追求すれば必ず失うものがある」というテーマで現在の日本が抱える問題を指摘した本である。

確かに携帯電話の進化によって、様々な情報が即座に入手でるようになった。その反面、「待つ」ことや「自分で調べる」ことの意味や楽しさを忘れ、思考能力の低下が人格形成にも悪影響を及ぼしていることは否めない。

携帯、パソコンに依存しすぎない生活を送ることが望ましいと、柳田さんは提唱している。仮想現実の中で己が皇帝になり、いけ好かない他人を(匿名で)激しくかつ執拗に攻撃するのはどう見ても病気である(笑)

「人の悪口を言ってる間はまだまだ子ども」と昔の年寄りは教えてくれたものだが、今ではまともな親を見ることすら難しくなっている。「他人の痛みを理解する」ことが出来なくなった理由の一つは「仏教哲学」の無理解にあると、私は考えている。

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