寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

取り壊される前の繊維ビルについて(後編)

2011年05月15日 | 郷土史
晴れの日でも薄暗く、どことなく怪しげな雰囲気の繊維ビル。数多くあった飲食店の中でも異彩を放っていたのが串かつ屋「てんぐ」である。一見客が入るのを躊躇するような店構えだったが、千円札一枚で飲み食いできる穴場だった。

通路中央右手にあった串かつ「てんぐ」(2007年2月撮影)

ベタベタした丸イスに座り甘いどて焼きをアテにビールを飲み何本か揚げてもらったものだ。無口な店主の笑顔を一度も見たことはない。注文が入らない時は小型テレビをぼんやり眺めている姿が今でもまぶたに焼き付いている。

冷たいビールを飲むと尿意を催すので勘定を済ませて狭い共同便所に駆け込むのがここでの決まり事だった。昭和の匂いが残る建物はどんどん市の中心部から消えてゆく。街の発展のためには仕方のないことだが、やはり一抹のさみしさを覚える。

繊維ビルの共同便所(2007年2月撮影)

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取り壊される前の繊維ビルについて(前編)

2011年05月15日 | 郷土史
駅南口の商業施設アイネスは繊維ビル跡地に建つ。古びたコンクリート建築内でさよならイベントが行われたのが平成19(2007)年12月初旬。取り壊しが決まっていたビルに大勢の人が集まっていたのを私は自分の目で見ている。

ビル1階には個性的な飲食店が軒を並べていた。居酒屋(和・洋)、大衆食堂、ラーメン屋、お好み焼き屋、喫茶店、日本そば屋など。店主も一癖ある人が多かったように思う(笑)

在りし日の繊維ビル(2007年9月、スポーツ用品店辺りを撮影)

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ふきの葉の佃煮はほろ苦さが印象的

2011年05月15日 | 食材
大きなふき(蕗)の葉っぱが食べられるとはこの歳になるまで知らなかった。近所の老人の作り方は以下の通りである。

水洗いしたふきの葉を茹でて冷水に取る。途中水を2度ほど換えて半日置きアクを抜く。水切りした葉を食べやすい大きさに刻み、出汁・砂糖・醤油を合わせた調味液で汁気がほぼ無くなるまで炊く。

ほろ苦さと清涼感が印象的なふき。苦みも味を決める一要素であることを再認識できた。食糧難を経験した昭和一桁の人の話は聞いておいて損はない。

茹でて水にさらしてアクを適度に抜いた蕗の葉っぱ

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