福山市の赤血谷伝説（前編）

韜光寺境内から三津木山に登るのが普通だろうが、私はわざわざ大回りの別のルートをとった。薮路大峠途中の税理士事務所の先に非常に細い坂道への入口（住所はギリギリ北美台）がある。



広島県立福山誠之館高校の生徒が自転車を押して上がるのは校舎・グランドへの近道だからだ。私はこのポイントから赤血谷と呼ばれる地域を目指した。


赤血谷は長崎市の赤迫と同じ意味合いを持つ。誠之館のグランドとは逆方向の道を進み坂を下り始めると道端に大きな観音像が立っている。

ＪＲ吉備線・東総社駅（初代総社駅）の歴史

旧松山往来沿いの秋山こうじ店（総社２丁目１５‐２７）の中から複数の女性客の話し声が聞こえてきた。米こうじの再評価は全国に広がったことを感じる。私は栄町筋に入っていた。



レトロな建物は旧薬師寺医院（同１５‐３２）。総社市まちかど郷土館１階に展示してあった総社商店街絵図（昭和３０年頃）と館長の話で目印となる建物の場所はすぐに分かった。


大きなソフトクリームのオブジェが目立つおーいし堂（同１２‐２４）は絵図では「杉原洋品店」である。また向かいの「平和モータース」は昭和１０年頃の同絵図では「君の恵旅館」だった。おーいし堂の手前で辻を右折して北へ向かう。



金光会館（同１３‐１８）の北側に残る一風変わった形の建物が元芝居小屋の「寿座」であると近所の老婆に教えてもらった。更に北上して国道１８０号を越えるとＪＲ東総社駅（同２１‐１）に着く。


小さな駅の歴史について少し触れておこう。明治３７年（１９０４）１１月１５日に中国鉄道吉備線の総社駅として開業し、戦時中に国有化された。昭和３４年（１９５９）１０月１日に東総社駅と改称して現在に至る。広島県では似たような例にＪＲ山陽本線・糸崎駅（旧山陽鉄道・初代三原駅として開業）がある。

鶏もも肉とネギの煮物（薄葛仕立て）

もも肉をそぎ切りにして表面に葛粉（無い場合は片栗粉で代用する）を塗し出汁で炊き仕上げにネギを投入する。葛粉によって汁に若干とろみがつくのが狙いである。葛粉は鶏の旨みを閉じ込める目的もある。

粘性のある汁が舌の上に長く留まることで旨味がアップしたかのように感じるが、実際には通常の煮物よりは薄味に調整しているのだ。薄葛仕立ての手法を雨の降った（気温の低い）日に使うと家族から喜ばれる。覚えておきたい日本料理の基本的な技だ。