「赤間神宮に参ったことはあるのか」
「ないよ。初めてだ」
「腹ごなしに参拝しよう。そうすりゃちょうどいい時間になるわ」
「そうだな」
再び9号線を渡って参拝を済ませた。神宮の隣が有名な春○楼である。下関に来たのはシーズン最後の白身を堪能するのが目的なのだ。
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先付、薄造り、唐揚げからメインの鍋に移った。私が鍋奉行を務めさせてもらう。下関に敬意を表しこの地のやり方で通した。上品な魚にはやはり日本酒が合う。最後の雑炊が仕上がった段階で既に満腹だった。
曇り空から恐れていた小雨が落ちてきた。私はハンカチで顔を拭いて苦笑したのである。
「やっぱり雨男だな」
「あぁ。どうやら本降りになりそうだ」
連絡船乗り場に辿り着くと長蛇の列ができていた。
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