小沢一郎・民主党代表が、先ほど記者会見で身の潔白を主張した。これを報道したTVワイドショーでは、やはりテレビ朝日、TBS系列が、民主党寄りの発言を繰り返していた。
「民主党政権」を期待して、麻生バッシングを続けていた両社だが、この事件でかなり焦っているな…という印象を受ける。
「国策捜査」「検察の暴走」などという発言もあったが、そんなに軽々しく言えることなのかどうか?
ここで思い出すのが、台湾の陳水扁・元総統だ。周知のとおり、陳水扁氏は、総統選挙で「中国国民党」の馬英九氏に破れたとたん、不正蓄財の嫌疑で逮捕された。彼は今も獄中にあり、先日などは、ハンガーストライキを行ったというニュースが伝えられている。
李登輝氏が総統に選ばれる以前の台湾は、大陸中国と同様に、「コネ」「賄賂」で政治が動かされていた。中国国民党独裁時代の台湾は、大陸と同様に「法治主義」ではなく、「人治主義」だったのだ。
陳水扁氏に対する嫌疑は、台湾独立を志向する民進党の力を弱めるためだという見方も成り立つ。本省人で、しかも貧困の身から台湾大学を卒業して、総統まで登り詰めた陳氏を追い落とそうとする既成勢力は多かったはずだ。
だが、曲がりなりとも、法的手続きに基づいて、検察が陳氏逮捕に動いたことは確かで、民進党側も「でっちあげ」とまでは言いにくい状況だ。
日本の民主党は、「年金未納」で菅直人氏、国会質問を巡るごたごたで前原氏、そして今度は小沢氏を失うことになる。政局の節目になるたびに、突発的な出来事で党代表がその座を追われているのだ。
今回の件は、果たして検察の陰謀なのだろうか。それとも、「身からでた錆」「自業自得」なのだろうか?
個人的経験からは、こういう事件で「権力の陰謀だ!」などと勇ましいことを言う人がいたら、その人が一番アヤシイ人に違いない。その辺を注意深く見てみたい。