台湾・馬英九総統が、映画「おくりびと」を鑑賞したというニュースが伝えられた。
馬総統が「おくりびと」鑑賞=対日関係強化で「映画外交」-台湾
【台北8日時事】日本映画「おくりびと」が米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞したのを受け、台湾の馬英九総統は8日、台北市内の映画館に日本の対台湾窓口である交流協会台北事務所の齋藤正樹代表ら日本人関係者を招待し、ともに鑑賞した。
馬政権は今年を「台日特別パートナーシップ促進年」と位置付けて関係強化を図っており、日本側関係者を招待することで、日本に対する友好の意を示した。馬総統は鑑賞後、「大変感動した」と記者団に感想を述べた。
「おくりびと」は「送行者」との中国語タイトルで台湾全土で上映されている。台湾紙の自由時報によると、同映画は受賞以来、行列ができるほどの人気になっており、台北市内の映画館では過去3年間でチケットの売り上げが最も好調という。(了)
馬英九総統は、外省人で中国国民党に属し、中国寄りと見られている。中国の脅威は減少したとして、徴兵制度の見直しにも言及している。台湾の独自性を主張する民進党は、これに対して難色を示していると伝えられる。
映画「海角七号」の大ヒットを見ても、台湾人の日本に対する評価は決して悪くない。
馬英九総統にとっては、「おくりびと」を鑑賞することで、多数を占める本省人の感情に配慮してように思われる。