中古レコード店でたまたま「ラテン・アメリカン・クラシックス キューバ CUBA」というCDを見つけた。9年前にリリースされた盤で、キューバ出身の四人の作曲家の作品を宮崎幸夫(ピアノ)が演奏している。「ラテン・アメリカン・クラシックス」というサブタイトルから分かるように、全ての作品が、クラシックのピアノ曲として書かれたものだ。
この中で私が特に興味を持ったのは、エルネスト・レコーナ(Ernesto Lecuona 1895-1963)の作品。クラシックに興味が無くても、彼の名はペレス・プラード、ザビア・クガートなどのラテン音楽でよく知られている。このCDには、彼の「スペイン組曲」「キューバ舞曲」集などから11曲が収録されていて、中でも「アンダルシア」「マラゲーニャ」が聴きもの。
宮崎幸夫「CUBA キューバ」(LAC Music 20181)
「アンダルシア」(Andalucia)は、「そよ風と私」(The breeze and I)というタイトルでも有名。1950年代にカテリーナ・バレンテ(Caterina Valente)が唄って大ヒットした。「マラゲーニャ」(Malaguena)もカテリーナ・バレンテのヴォーカルや、数々の楽団演奏で大成功を収めた。
このCDで宮崎幸夫は、原典楽譜に基づきピアノ独奏している。「アンダルシア」では、印象的なメロディとともに左手が明るいリズムを刻み、ラテン風の雰囲気を醸し出している。
原曲はこんな演奏だったのかと改めて確認できる。
エルネスト・レコーナの原典ピアノ曲集を収めたCDは、この宮崎幸夫盤のほか、外国盤で数種類あるかどうかの稀少盤だ。その意味でも、このCDと出会えてよかったと思う。
Caterina Valente - The Breeze And I