エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

 加茂水族館 村上館長のお話

2009-01-05 | 日々の生活
             【オワンクラゲ :ネットより】
 
最近、夜中に目ざめることが多い。早めに寝ても、少し遅くまで起きていても3時から4時ころに目覚めてしまう。新聞を取ってきて、寝床でラジオを聞いた。ラジオ深夜便の3時台は歌謡曲、4時からは「こころの時代」だ。
 昨日と今朝の「こころの時代」は、《くらげが甦らせた水族館》、クラゲの展示で有名な鶴岡市立加茂水族館の館長の話で、その人生に感銘を受けた。
素晴らしい人生を淡々と語る村上館長の温かい人柄が伝わってきた。クラゲを追い続けた村上館長の、豊かな体験から語られる人生はとても大きいものに思えた。勉強嫌いで、川遊びに興じた少年時代に、庄内地方の自然に培われた豊かな人生を思った。そうした昔の自然はもう無いという。自分の子供のころの体験と重なる自然の中での貴重な体験は、今の子供にはできないだろう。
 釣り名人を自負する、魚採りに明け暮れた少年は、やがて山形大学の応用生物学科へ進んだ。郷土の豊かな川での雑魚とのふれあいや、歴史ある文化である庄内竿との関わりなど、クラゲにいたる生き物への眼差しが良くわかった。

 オワンクラゲから緑色蛍光たんぱく質(GFP)を発見した下村先生のノーベル賞受賞もあり、日本一、世界一と言われるクラゲ水族館がさらに知られるところとなり、来館者が急増している。そんなニュースも聞き流していたが、ラジオのこころ打たれる話を聞いて、是非クラゲを見に行きたいと思った。
 クラゲは悠然と宇宙遊泳をしているようで、人間もそんな生き方を出来たらと語る。まさに、良寛の生き方がそうだろう。こんなに美しいものはないという。

 ネットの加茂水族館HPで館長あいさつの中で、「加茂水族館の運命は「オセロゲーム」のように思えてならない。」と述べておられる。読みながら、負け犬の自分自身の半生を思い、まさに人生もまたオセロゲームかもしれないと思った。この放送を聞いて少し勇気が湧いてきた。

 館長の子供のころの素晴らしい人生と、自分のチョウへの憧れとが重なった。そしてチョウと関わりから、多くの友人とも交流できた。大学の先輩Sさん、チョウの文通から知り合った獣医のYさん、小学生の私にチョウへの関心を抱かせてくれた従兄弟のRくん、さらには、観察するこころを教えてくれた小さな虫たちへの感謝の気持ちが湧いてきた。