エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

春を待つ雑木林を歩く

2010-03-26 | 自然観察


午前中、近くの里山の雑木林に水芭蕉を見にでかけた。
9時過ぎ強清水の道路温度表示は1℃、磐梯の頂は見えないが、ふもとは輝いて見えた。
 農道は何とか開いていたが、山の林には、想像以上に雪が多かった。
 道の両脇の林には、まだまだ膝近くまでの雪が残っていた。でも木の根元の周りは丸くへこみ、春近しを感じさせた。



 静寂の林の中を歩くと、ところどころに、とぼとぼと歩いたであろう野ウサギ?の足跡が続いていた。
雪の上には、折れた小枝がいくつも横たわり、見上げると、ヤマハンノキだろうか、吹雪に耐えた雄花の穂と、雌花の実が垂れ下がっていた。

 【ヤマハンノキ?】

 春を迎える水辺の辺りの雪は消えていたが、お目当ての水芭蕉は大きな芽を出し始めたところだった。
また、小川のほとりにフキノトウを見つけた。
春の恵みをつまませてもらい、雪の上に並べた。輝く雪の上でほんのり春の香りがした。
 虫たちが現れるまでにはまだしばらくかかりそうだ。

【ミズバショウの芽】
 

 足を延ばして、長浜の水鳥たちの様子を見に立ち寄った。カモたちはまだかなりの数が残っていた。
数百羽のオナガガモに混じってキンクロハジロ、ホシハジロなどが春の日を浴びながら浮かんでいた。
コハクチョウも十数羽がまだ残っていた。中に羽根に怪我をした個体を見つけた。たぶん今年は北へ帰れないだろう。





 【キンクロハジロ ♂(手前)と♀】

 帰路、しばらくぶりに十六橋へ寄った。初めて橋を渡って戸の口側から眺めてみた。
十六橋のほとりのファン・ドールン像と、記念碑を読みながら、ふと戊辰戦争の戸の口原、十六橋の戦いを思い浮かべた。
 金の橋から猪苗代湖がみえ、名倉山が舞い始めた雪に煙った。

 時折日も当たるが吹き来るそよ風はとても冷たく、寒かった。
 春を間近にした林を巡り、水鳥たちと別れを告げることもでき、すがすがしい気持ちで帰路についた。

【十六橋水門】 【ファン・ドールン像】

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