エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

ナナカマド

2011-08-29 | 日々の生活

ナナカマドが色づいてきた。大きな実も黄色く、薄い雲の浮かぶ青空に映えている。
本棚から、エッセイ「ななかまど」(野武歌子書 朝日ソノラマ)を手に取った。
たまったほこりを払い、表紙にデザインされたナナカマドのカットと添えられた解説文を見た。
 初版発行1990年とある、もう20年も前になるのか。
内容もあるが、立ち読みする文章に魅せられて求めた記憶がある。
 一度読んだものだが、当時は病気のことなど考えもしなかった。
大病をして人生観が一変した身で読み返すと、著者の気持ちが一層よく分かる気がした。

本の題名について、扉に一文がある。

七たび火にくべても燃えつきの悪い木なので
「ナナカマド」と名がついていると、昔聞いた。
 何度も死にそびれている私もそんな気がしたので・・・

いま、自分も来し方を振り返るとき、著者のよく言う 「仕方ないのだから」と思った。
そして、生かされている自分に、あらためて「ありがたい」と思った。