エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

一泊二日の入院

2012-04-08 | 健康

 

 また入院してしまった。昨年の夏ころから、右目の視力が極端に悪くなった。
糖尿病から来る白内障と診断された。手術自体は15,6分で終わるという。これまでの数え切れない入院に比べれば、正直、気は楽なものだ。

 土曜日11時の入院、パジャマに着替え、点滴が始まった。点滴針がうまく刺さらず、3度目の正直、つい昔を思い出してしまった。
  軽い昼食をとり、2時過ぎ手術室へ。左腕に心電図コード、右腕に自動血圧計。電子音がピッ、ピッ。

手術が始まった。痛くないと聞いていたが、やはり辛かった。頬骨の下の頬に注射らしきもの、多分麻酔か。

消毒された右目に眩しいライトが照らされた。何度目かの黄色い点眼液が見え、次いで中央に小さな長方形の金属片が見えた。

その縁が裏からの光に眩しかった。その金属片周囲は美しいスカイブルー、ときどきピンクのオーロラのような揺らぎがあらわれた。

あの美しい濃い澄みきったブルー、なんと表現したらいいのだろうか。美しすぎる。いつか映像で見た宇宙空間からの地球の夜明けの写真を思い出した。

宇宙空間に浮かぶ地球を取り巻く空気層が、あの青い色だった。

繰り返す痛さを我慢しながら、これまで見たことのない美しい色の宇宙ショーを鑑賞した。12、3分だったろうか、急に暗黒になって手術は終わった。

 お礼を述べ手術室を出ると、涙が溢れた。

またも家族に心配をかけ、病院にお世話になりながら生かされる、切なさ、うれしさが込み上げたのだろう。

 迎えの車いすを押されながら、看護婦さんに痛かったことと、今見てきた美しいショーを話した。

でも個人差があるのか、翌朝の検診で隣り合った患者に聞いたら、そんな美しいショーは見なかったという。また全然痛くなかったと。

 強烈に明るい光源の光が複雑に反射、屈折をして、網膜に届いた。その波長が偶然の美しさをプレゼントしてくれたのだ。痛さに我慢したご褒美だったのかも知れない。

 翌朝、診察を前に眼帯を外して初めて見る光景はとても明るかった。おまけに裸眼でもよく見えた。手術は成功した。真っ赤な出血もじきに引けるという。 

              
 手術後2時間の安静、普通に夕食をとってからの夜は長かった。枕が変わると駄目。おまけに相部屋、両隣のいびきに悩まされた。
 寝付かれず、ポケットラジオをイヤホーンで聴いた。クラッシックやら野球中継を。何気なくFMへ入れるとFMシアターが始まった。

森治美の原作の「祖父と手紙と僕」、聞き応えのある素晴らしい番組を聞くことが出来た。

 朝の点滴1時間、娘に迎えを頼んで帰宅した。
 4年生の武琉君、じいが借りてきた金属製の眼帯を心待ちにしていた。
歴史が大好き、じいちゃんの居合い刀を持ち出し、独眼竜になりきった。

段ボールで眼帯を作って独眼竜で記念スナップ、いつか思い出の写真になるかもしれない。

独眼竜 武くん(新4年生)    8歳、 萌ちゃん(新2年生)  ガールスカウトの服装で

    

 きょう夕食は、萌香ちゃん誕生パーティ、ついでにジイの退院祝もささやかに・・・。

 

日記@BlogRanking