数日前の朝日歌壇「うたをよむ」に、歌人三枝之氏が啄木について書いていた。
今年は啄木の生誕130年という。そこで、谷村新司の名曲「昴」が啄木の歌を下敷きにしていることを知った。この名曲「昴」はいつも鑑賞してきた。
啄木の死後発刊された「悲しき玩具」初めの2首は
”呼吸(いき)すれば 胸の中にて鳴る音あり
凩(こがらし)よりも さびしきその音”
”眼閉づれど 心にうかぶ何もなし
さびしくもまた眼をあけるかな”
谷村新司作詩・作曲「昴」の歌詞は
”目を閉じて 何も見えず
哀しくて目を開ければ
荒野に向かう道より 他に見えるものはなし
・・・・・ ・・・・・
呼吸をすれば 胸の中
凩は吠(な)き続ける
されど我が胸は熱く 夢を追い続けるなり
・・・・・ ・・・・・ ”
また、啄木は文芸雑誌『スバル』の同人であったことを考えると、曲名『昴』も理解できる。
彼がかなり啄木に影響を受けたことは想像できる。盗作などではない、彼もまた、青年のころ啄木に感化されたことを知り嬉しかった。
啄木の送ったかなしい人生を、いつも思っていた。
啄木は明治45年4月、極貧の内に亡くなった。
親友の若山牧水の臨終記に、一層悲しみが湧いてきた。
(参)ネットから
【 あの人の人生を知ろう~石川啄木 】
http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/takuboku.html