エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

嬉しいジャコウアゲハの来訪

2019-08-19 | 自然観察

                                                 

何年も、我が家のウマノスズクサが食べられずに寂しかった。

何年ぶりだろうか、数頭のジャコウアゲハが飛来、毎日産卵している。

気がつかなかったが、驚いたことにもう3~4齢の幼虫も数頭も見つけた。嬉しいニュースだ。

ジャコウアゲハは、近くの木の葉を一つづつ前脚で触りながら 、時間をかけて、間違いなく食草ウマノスズクサの葉にダイダイ色の卵を産んでいた。

もう3日の滞在だ。しばらく幼中の成長を観察できそうだ。 

  

  

庭にはウマノスズクサがあちこちに殖えている。

ツルを伸ばし、木にからまって3m以上にも伸びているのもある。独特な花は咲き終わったところだ。

ヒメシロチョウの唯一の生息地の土手にもウマノスズクサも生えている。

河川事務所には、ヒメシロチョウ保護のためにツルフジバカマを刈り残してもらっているが、

今年はウマノスズクサも残してもらうようお願いしている。

ジャコウアゲハも少なくなり心配だが、食草のウマノスズクサそのものが絶滅危惧種になったという。

ジャコウアゲハがいつまでも我が家を訪れ、元気に巣立って欲しいと思っている。

 

前脚でしかと認めしいのちの葉ジャコウの産卵待ちわびし日々

野ブドウで吸蜜  

  

待ちどうし開花  ハチ多し

  

 


安らかで穏やかな平和

2019-08-19 | エッセイ

                                                                           

 「麦わら帽子は もう消えた」で始まる歌「夏休み」があった。

炎天下に、麦わら帽子をかぶって田の一本道を歩いていた小学生のころを懐かしく鮮明に思い出す。

オオムラサキやゴマダラチョウが集い、クワガタ、カブトが無心に樹液を吸うクヌギ林を目指していた。

そんな、小さな虫を求める純真な少年の日々を忘れない。それは安らぎそのものだった。

戦後間もなく、まだ世の中全体が貧しい生活を送っていたころだ。

思えば、国際的な対立や経済優先の物欲主義の風潮、さらには疎くなった近所付き合いなど、今の時代は決して平和とは言えない。

戦争がないことや便利であることだけが平和ではない。

かつて、蚊帳を吊って、家族が川の字に寝ていた夏の夜を思い出す。

クーラーなどないが、猛暑をしのぐ、穏やかな安らぎのある日々があった。