エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

鶴ヶ城の雪吊り 

2008-12-04 | 日々の生活

 夕闇迫るころ、夕焼けを背景にしたお城を撮ってみたいと思い出かけた。紅葉のお城を見たいと思いながらも、いつしか寒くなってしまった。たしか桜の季節以来の登城だ。
 本丸の松は、もうすでに雪吊りが済んでいた。お城本丸の多行松はいつの季節もすがすがしい。
 雪吊りは金沢の兼六園が有名だが、北国の晩秋の風物詩となっている。雪国の会津、お城や御薬園の雪吊りも風情があるものだ。もういつ雪が積もっても大丈夫だ。


この時期、雪を前にした雪吊りは、趣きある一つの芸術作品である。真ん中に立った芯柱から、縄が放射状に均等に広がって幾何学模様がきれいだ。土手のツツジ類も雪で折れないように物々しく吊られていた。植え込みの種類や場所により、いろいろに工夫された雪囲いがされていた。毎冬のことで、さぞ大変な作業であったろう。
四季を通してお城の眺めは素晴らしいが、私は雪のお城が一番美しいと思っている。
(2008.12.3)





ヤブコウジ

2008-12-03 | 自然観察

 ヤブコウジが、庭のあちこちに紅い実を付けてかわいい。近づくと、落ち葉に埋まっている背の低いヤブコウジにも、真っ赤な実が鮮やかだ。
 ヤブコウジは丈夫で、何よりも好きなので、園芸店に行くたびに小さいポットの苗を買って殖やしていた。いろいろな品種があるが、斑入りのヤブコウジは花付きが悪いようだ。また、縮れた葉の品種の実は色合いが違って幾分濃い赤だ。
 ヤブコウジは小さいので別名をジュウリョウ(十両)という。マンリョウ(万両)、センリョウ(千両)、カラタチバナ(百両)だそうだ。

【ヒメモチの実】
ヤブコウジを見ていたら、隣の盆栽のヒメモチが紅い実を付けていた。花も気づかずにいたが、初めて見る実だった。一つだけだが、ヤブコウジよりも一回り大きく、真ん丸ではないひらたね柿のような形だ。図鑑を調べたら、ヒメモチは驚いたことに樹高は2mほどにもなるらしい。

ヤブコウジの紅い実は、これから庭が雪に埋もれるまで、寂しい冬の庭のワンポイントの彩りだ。


夕方のハクチョウを見る 

2008-12-02 | 自然観察


 今日から師走、冬晴れの一日だった。午前中は風もなく温かく、創立記念で幼稚園が休みの武琉くん、萌香ちゃんは実によく遊んだ。サッカー、自転車乗り、泥んこ遊びと、ずっと付き合わされ幾分疲れた。全国的に晴れのようだが、昼ころからずいぶん冷えてきた。3時を過ぎていたが、孫にせがまれ猪苗代までハクチョウを見に車を走らせた。

 翁島あたりの田には、十数羽の小さな集団がついばんでいた。近くの畦に数羽のダイサギだろうか、カメラを構えるだけで飛び立ってしまった。その点、ハクチョウにはかなり近くまで近寄ることができる。孫と一緒に畦道をハクチョウの間近まで近づき、静かに観察した。先日の雨で水がたまった田は、薄氷が張っていた。いつものように、磐梯山を背にハクチョウたちを写真に撮った。
 つるべ落としの陽が赤みを増し、磐梯山のすっかり色褪せた山麓や白い雪がほのか赤く輝いてとてもきれいだった。
 時間帯にもよるのか、飛来してきたころあれほど沢山いたハクチョウだが、小集団に分散してあちこちの田にいるようだ。それにしても少ない。たぶん、崎川浜あたりに集まっているのだろう。

途中、夕闇迫る長浜に立ちってカモたちにあった。
 湖畔に立つ我々を見つけ、カモたちが遠くから泳いできた。たちまち水面が見えないほど数百羽のカモたちが集合した。長浜ではほとんどがオナガガモだが、わずかにキンクロハジロが見られた。鳥インフルエンザがらみで、あちこちでハクチョウへの餌付けが自粛されているが、ここではえさを売っているようだった。大分冷え込んできたので帰りを促したが、孫たちはなかなか離れようとしなかった。また、近いうちにパンくずでも持ってくることにした。



 強清水の道路標示の温度は3℃、大分冷え込んできた。山の端に沈む「たそがれ」の色の変化はすばらしい。三日月や、その脇の金星と木星が輝きを増し、一段と美しい空の色を楽しみながら帰路についた。
(2008.12.1)



猪苗代湖の水質保全

2008-12-01 | 環境問題
          【美しい湖:笹山から翁島方面を望む】

 猪苗代湖は、2005年まで湖沼水質ランキングで日本一だった。しかし、昨年と今年は、環境省発表のこの水質調査で大腸菌群が環境基準を上回り、ランキングの対象外となってしまった。
 県の水・大気環境課では「酸性の川水が流れ込むことで水質が弱酸性になり、大腸菌類の繁殖が抑えられていたが、最近は中性化が進んでいるのが原因の一つ」としている。
 これは、95年ごろから数年続いた安達太良山の火山活動が一因らしい。閉山した硫黄鉱山などからの強酸性の水が鉄分などを溶かしたうえで湖に流れ、化学反応で汚染物質を吸着、湖底に沈殿させる仕組みに変化があるようだ。
 
 大腸菌群数の増加と聞くと、まず周辺自治体の生活排水の下水処理が大きな問題と思われる。また、裏磐梯の湖沼群はランキング第2位だが、一部の湖では、20年ほど前から富栄養化の進行が見られるようになっていたようだ。いずれにしても、このランキング失格を機に、いっそうの水質保全対策を強化しなければならない。水質を保全していた自然の浄化作用を、人為的に壊してはならない。
 会津若松市の飲料水はじめ生活用水は猪苗代湖の水だ。いつまでも安心して美味しい水が飲めるような水質であって欲しい。


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