都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
進水式では、シャンパンの瓶を船にぶつけて、後悔の無事を祈り、進水させます。
このシャンパンは、過去の残酷な儀式の名残なのです、
中世の大航海時代でも、出航した船が無事に帰港する確立は半分以下だったそうです。船乗りたちは、何よりも海上での天候異変を恐れ、暴風雨は海神の怒りだと考えたのです。
そのためバイキングや古代ギリシャやローマでは、進水式にあたっては、「人身御供(ひとみごくう)」を捧げて、海難を逃れようとしたのです。「人身御供」となったのは、各国から集められた捕虜や奴隷たちだったのです。犠牲になるのは、どの時代でも弱い立場の人間です。
これは船乗りが海賊だった時代の話です。昔は、人の命が神の怒りを沈める手段だったのです。
やがて時代が進むと、キリスト教の影響もあって、人間の血の代わりに、血の色に似た赤ワインを用いるようになります。
この方法はイギリスで18世紀に入ってから始まったようです。その後、白ワインやシャンパンでもよくなり、最近はほとんどシャンパンが用いられています。日本では日本酒をつかうところもあります。
このあと支綱切断へと移ります。船体を支えている細い1本のロープ(もちろん形式的なもの)が船主の振り降ろす銀の斧によって切断され、船は船台上をゆっくり海に向かって滑り出します。ブラスバンドによる勇壮なマーチが流れ、船首に飾られたくす玉が割れて紙吹雪と五色のテープが風に舞う。船の一生の中でも、最も晴れやかな瞬間です。
ところが、最近の大型船の建造はほとんどがドックで行われ、進水もドックへの注水により船を浮上させるドック進水が主流になっているそうです。式次第は船台進水もドック進水もほぼ同様ですが、巨大な船体が海に向かって滑り降りてゆくあのクライマックスの感動は船台進水だけのもの。時代の変遷とともに進水の仕方も変わってしまったようです。
したっけ。