年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

大阪朝日新聞のスクープ 2

2007年02月18日 | 福神漬
明治42年11月3日 大阪朝日新聞
発覚の端緒
(警察)本部が不正品として認めたのは三四日前のことにして某署より提出した小分け醤油を試しに分析したところ多量の薩可林を検出したので容易ならぬ次第と直ちに押収先に(警察署の)技師を派遣して取り調べたところ日本醤油会社より発売の品と判明した。しかし、本部にてはかえって不審を抱き、巨額の資本を有する会社がそのようないかがわしい手段を行うとも思われず、あるいは小売業者の仕業ではないかと一時人手を分けて各方面を取り調べたところ同様の不正品を発見したので、すべて同社のより発売の際混入としたものと見込んで、さらに大捜索をしようとする際、早くも同社重役もこのことを探知して非常に驚き早速本部に出頭の上、『見本品7樽に限り混入した』旨自白し、何分目下売り出し中にてすくなかざる打撃を受けることなればあくまでも秘密にしていただきたく旨懇願した由なるが本部にてはその申し開きを疑い内密に他方面に取り調べたところやはり同様に薩可林を検出した。
多数の押収
今は猶予ならず一日夜より二日朝にかけてxx警部は三名の技師とともに西区幸町通2丁目の貯蔵倉庫及び横堀7丁目の大阪出張所に臨検し合計1600樽(この代価約一万円)を押収して、ことごとく封印を施し引き上げ、専ら分析試験中であるが尼崎工場は兵庫県の管轄に属することなので試験の結果によって不正品と定まれば相応の照会をするはずであるという。
醤油小売業者の仕業とは当時は樽詰の醤油を小分けして販売していた。
発覚の端緒については梢風名勝負物語 日本金権史 砂糖と醤油 村松梢風著に詳しいが大阪朝日新聞のみ非常に詳しく事件の内容が記事となっているので、旧式醤油醸造会社の組合の陰謀があったかもしれない。
コメント
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