年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

報徳思想と巨大資本

2007年02月10日 | 福神漬

鈴木藤三郎が精糖業の社長を辞した時、売却した株の資金で醤油醸造の研究に向かった。東京小名木川の工場で試験操業した結果、今までより安くカビの出ない醤油が生産できた。この評判を聞きつけた人は鈴木が小規模で醤油生産を始めようとしたところ、安価にできる醤油を製造することは国民経済に役にたつのであるから、出資者を募り初めから大規模に行ったほうが報徳の考えに沿うのではないかと諭され、資本金一千万円という、当時としては巨大な資本金で始まった。新聞広告にも常に『資本金一千万円・日本醤油醸造㈱』の文字が入っていた。

鈴木藤三郎が信奉していた報徳思想は「勤労、分度、推譲」の三原則を基本とします。
【勤労】は生活の基本であり自助努力とともに知恵を働かせて労働を効率化し、社会に役立つ成果を生み出す。
【分度】収入の枠内で一定の余剰を残しながら支出を図る。
【推譲】は、余剰、余力の一部を、各人が分に応じて拠出します。

この資本金一千万円は旧式醸造の醤油製造業者の警戒を招き、販売に苦労することとなった。

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