年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

日本醤油醸造不良の理由

2007年02月14日 | 福神漬
明治後期産業発達史資料 第460巻 469頁
日本醤油醸造の醤油製造における温醸法の欠点とその理由
温醸法は醤油もろ味を加温して熟成を早める原理。
① 温醸法は香気におとる。
醤油の香気は「エステル」「チロソール」及び大豆小麦の芳香の混合したもので、加温により揮発する。また、短期醸造ではエステルの生成量が少ない。
② たんぱく質の分解が進まず。アミノ酸の量が少ない。

酵母の発酵が不十分であると糖分のためにもろ味中のアルコール発酵が出来ずエステルが作られにくくなる。温醸法では乳酸・酪酸・酢酸等の発酵が盛んになり、酵母の発育を不十分となる。
平成の現在の分析では鈴木藤三郎の機械式醤油醸造は未完成であったと言われている。
つまり、熟成期間が短かったため旨みが足りなかったのである。このことは旨みを加える必要があった。「味の素」の最初の製品は日本醤油醸造に納品され、足りない醤油の旨みに使われることとなった。
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