食品業者の団体で漬物業者ほど発展途上国へ行く機会の多い業界は少ないだろう。これは戦後農政の食品加工業への政策が弱かった結果から来ている。従って旅慣れた同行者の行動は実に嗅覚が優れていて要点をしっかりと抑えている。水は一番要注意でホテルのペットボトルの水も詰め替えの危険があるので要確認となる。私はもっぱらビールで水分を取る。ある人は歯磨きも生水を使わないと言う。ビールは殆どミャンマービールで一回だけ生ビールを飲んだ。途上国味覚通と言える漬物業者の舌をうならせたミャンマービールはアジアで一番うまいと言う評判は本当だった。
ミャンマーの食事はどの料理も辛い味でインド風、タイ風、中華風などの料理があるが時間が経つと記憶から消え料理の区別が付かない。辛いキムチでさえ甘く感じる。食物禁忌があるはずだが何も記憶がなく、鳥肉が多かったような記憶がある。日本から持参の漬物が出てきたりするのも当たり前らしい。旅行日程が厳しいのにしっかり短い時間にホテル周辺の調査をするとは恐ろしい。
ミャンマーの気候は3季である。2月下旬から4月にかけて酷暑季、5月から10月初めまで雨季、10月中旬から2月下旬まで乾季となる。日本人にとって心地よいのは11月から2月までだろう。特に海抜1000Mを越えるシャン高原の気持ちよさはヤンゴンの暑さから比べると天国のようだ。夏の東京と軽井沢と思ってよい。そんな国が今発展しつつある。今まで自給自足していた人々がヤンゴンに集中して住みはじめれば食の購入へ向かうか外食しかない。夜12時過ぎまで営業している食堂を見ていると治安が良いため女性でも食事をしているようだ。これはヤンゴンホームレスのなりそこないの観察である。
レストランで調理されて出てくるものは全て熱を通していて、その材料は乾燥した素材が多かった気がする。干し野菜、干し納豆などがあり、日本食の源流と意も言える中国雲南に近いので比較的食することが出来る。