偶然、テレビでYAMAHAの楽器工場を紹介しているのを観た。
YAMAHAの管楽器、サックスの工場。
http://www.yamaha.co.jp/edu/instruments/sax/factory/index.html
次女にYAMAHAのテナーサックスを買い与えたのも手伝って見入ってしまった。
サックスの部品点数は、ざっと600点。この数だけでも驚き。
金管楽器は、殆どの部分が真鍮(黄銅)で出来ている。
柔らかく、加工しやすいのが一番の理由だが、楽器の素材として
多分、響きがいいんだろうと思う。
そして重要なのは加工のしやすさ。金は加工しやすいが柔らかすぎる上に
重くて、更に高価という点で難しいのだろう。
銀は比較的安いが、それでも銅には敵わない。
驚いたのは、ベルと言われる部分。いわゆるラッパの形をしている部分。
量産品は2枚の板を曲げて2箇所で溶接して作るのだが
基本的には1枚の真鍮板をハンマーで叩いてベル形状にした後、溶接する。
まぁ単板を加工したものの方が高級で、良い音が出るんでしょうけど
楽器って云うのは、必ずしもそうじゃないところが面白い。
素材の加工過程で、気温や湿度にも左右され、仕上げ加工や塗装の
微妙な厚さで音に違いが出る。
工業製品には公差と言われる寸法の誤差許容範囲があるけれど
これがゼロにならない限り、組みあがったものにはそれぞれ個性がある。
これは、僕の設計する電気回路でも同じことが言えて、
高性能、高精度な電源ほど、調整や組み立て時の職人技が物をいう事が、間々有る。
サックスも、600点の部品が取り付くので、一つとして同じものが無いうえ
仕上げの磨きやラッカーの質で音色が変わったりと言うことになるらしい。
ただ、驚いたのはYAMAHAの工場では、コンピュータ制御の機械で
職人がやる作業を再現して、細かい部品つくりをしている事。
それでも、楽器の組み上げ工程は人間の手で調整しながら一つ一つ作っている。
量産品といっても決して、手を抜かないで丁寧に作られている。
僕が最近愛用しているギターも、安い値段なのにものとしては良い。
ジャズギタリストの俊ちゃんと「儲けが出るのかねぇ?」
なんて話す事があるほど、いわゆるコスト・パフォーマンスが良い。
おまけにYAMAHAの楽器は、殆ど当たり外れが無いクオリティの高さ。
それがYAMAHA楽器のポリシーなのだと、改めて納得した。
実際、長女に最初に買ってやったトランペットは東南アジアで組み立てられたもの。
初めての楽器なので、値段が10万円位のものを買い与えたのだけれど、
そんなに安物でもない。2年使って、ピストンとシリンダーの摺動部分にガタが出て、
それを修理すると、同じものが買えてしまうほどだった。
そのメーカーの部品の仕上がりは、マイクロメートルの単位で公差が違い、
ピストンとシリンダーの摺動部分のクリアランス(隙間)ひとつ取っても
YAMAHAの楽器とは仕上がり精度のレベルが比べ物にならず、
結果的に壊れやすいのだそうだ。
それで、長女にはYAMAHAのトランペットの上位機種を買い直し
次女のサックスも、初心者用とはいえ安物ではないYAMAHA製にしたのです。
娘は使ってみて、その微妙な違いが解ったそうだ。
最近はコストダウンのために、ものづくりの拠点が中国や東南アジアへ
移っているが、この番組を見ていて、日本人のものづくりに対する
愚直なまでのこだわりや、職人の感性が大事なんだと思った。
中国製のものなんて、我家では使い捨てで良いものしか買わない。
使い捨てと言われるものでさえ、中国製は使い捨てる前に壊れるし
逆に、日本製は使い捨てるのが勿体無いほど壊れない。
楽器を見るたびに、作った職人の心意気や技をいつも感じる。
自分の作る装置に、そういうものを感じさせる事が出来るのだろうか?
YAMAHAの管楽器、サックスの工場。
http://www.yamaha.co.jp/edu/instruments/sax/factory/index.html
次女にYAMAHAのテナーサックスを買い与えたのも手伝って見入ってしまった。
サックスの部品点数は、ざっと600点。この数だけでも驚き。
金管楽器は、殆どの部分が真鍮(黄銅)で出来ている。
柔らかく、加工しやすいのが一番の理由だが、楽器の素材として
多分、響きがいいんだろうと思う。
そして重要なのは加工のしやすさ。金は加工しやすいが柔らかすぎる上に
重くて、更に高価という点で難しいのだろう。
銀は比較的安いが、それでも銅には敵わない。
驚いたのは、ベルと言われる部分。いわゆるラッパの形をしている部分。
量産品は2枚の板を曲げて2箇所で溶接して作るのだが
基本的には1枚の真鍮板をハンマーで叩いてベル形状にした後、溶接する。
まぁ単板を加工したものの方が高級で、良い音が出るんでしょうけど
楽器って云うのは、必ずしもそうじゃないところが面白い。
素材の加工過程で、気温や湿度にも左右され、仕上げ加工や塗装の
微妙な厚さで音に違いが出る。
工業製品には公差と言われる寸法の誤差許容範囲があるけれど
これがゼロにならない限り、組みあがったものにはそれぞれ個性がある。
これは、僕の設計する電気回路でも同じことが言えて、
高性能、高精度な電源ほど、調整や組み立て時の職人技が物をいう事が、間々有る。
サックスも、600点の部品が取り付くので、一つとして同じものが無いうえ
仕上げの磨きやラッカーの質で音色が変わったりと言うことになるらしい。
ただ、驚いたのはYAMAHAの工場では、コンピュータ制御の機械で
職人がやる作業を再現して、細かい部品つくりをしている事。
それでも、楽器の組み上げ工程は人間の手で調整しながら一つ一つ作っている。
量産品といっても決して、手を抜かないで丁寧に作られている。
僕が最近愛用しているギターも、安い値段なのにものとしては良い。
ジャズギタリストの俊ちゃんと「儲けが出るのかねぇ?」
なんて話す事があるほど、いわゆるコスト・パフォーマンスが良い。
おまけにYAMAHAの楽器は、殆ど当たり外れが無いクオリティの高さ。
それがYAMAHA楽器のポリシーなのだと、改めて納得した。
実際、長女に最初に買ってやったトランペットは東南アジアで組み立てられたもの。
初めての楽器なので、値段が10万円位のものを買い与えたのだけれど、
そんなに安物でもない。2年使って、ピストンとシリンダーの摺動部分にガタが出て、
それを修理すると、同じものが買えてしまうほどだった。
そのメーカーの部品の仕上がりは、マイクロメートルの単位で公差が違い、
ピストンとシリンダーの摺動部分のクリアランス(隙間)ひとつ取っても
YAMAHAの楽器とは仕上がり精度のレベルが比べ物にならず、
結果的に壊れやすいのだそうだ。
それで、長女にはYAMAHAのトランペットの上位機種を買い直し
次女のサックスも、初心者用とはいえ安物ではないYAMAHA製にしたのです。
娘は使ってみて、その微妙な違いが解ったそうだ。
最近はコストダウンのために、ものづくりの拠点が中国や東南アジアへ
移っているが、この番組を見ていて、日本人のものづくりに対する
愚直なまでのこだわりや、職人の感性が大事なんだと思った。
中国製のものなんて、我家では使い捨てで良いものしか買わない。
使い捨てと言われるものでさえ、中国製は使い捨てる前に壊れるし
逆に、日本製は使い捨てるのが勿体無いほど壊れない。
楽器を見るたびに、作った職人の心意気や技をいつも感じる。
自分の作る装置に、そういうものを感じさせる事が出来るのだろうか?