今日は東中野にある『じみへん』という小さなライブスポットで
南正人の唄を聴いてきました。
敢えて『ライブ』という表現をしない理由があります。
このお店は、立ち見を加えてもせいぜい入って20人。
マイクを使わなくても、生ギターと生声で十分に唄が聞こえる。
むしろ、聴く側がそういった生の歌を聴こうと意識しないと
ちょっとした雑音が邪魔をする。
現に今日も隣のおじさんは、合わないリズムで、
パーカッションのつもりでカウンターを叩く。
僕はちょっと不快だったけれど、まぁそこは我慢して・・・・
いつも思うんだけど、他に聞いている人が居るってことに
気を遣うことが、音楽では大事なことだと思うのです。
さて南正人。もう70歳を超えたという。
この人は、あまり東京でライブをやらない人だった記憶がある。
僕が生の唄を聴いたのは、なんと40年前。
その当時、仲間が北千住に開いた『甚六屋』というライブハウスで
聴いたのが最初で最後だった。
今日の『唄』は、その当時の臨場感に近かったかな?
フォークの良さは、唄からその人の人柄や人生が見えるところ。
路上ライブをやるアマチュアが多くなったけれど、
どの子も大声で歌うのが良いと勘違いしている気がしますね。
大声で歌っているだけで、僕には殆ど何も伝わってこない。
その点、この店で聞く歌は歌い手の人柄に始まって、
唄に込められたメッセージが、伝わってくる気がする。
元々、ライブハウスなんてレコードではない生の唄を聞かせるところから
始まったんだから、当たり前だと思っている。
南正人、良いですねぇ・・・・
飄々と唄う、その唄に聞き入っては何処か癒される。
唄を聴いている聴衆から、自然に手拍子が出たり・・・・
こういった本当のアンプラグドの音楽を、最近良く聴くようになった。
それで、自分のやっている音楽は、こんな風に伝わるのかな?
なんて考えるようにもなった。
ギターのテクニックを聴きたい時は、ジャズのライブを聴きに行く。
それとは別に、『唄』を聴きたくなるとこういった生に近いライブに出向く。
音楽を聴くなら、CDよりアナログレコード、レコードより生演奏のライブ。
そして、コピーよりカバー、カバーよりオリジナル。
これはジャンルを問わず、共通な気がします。
今月も、出来るだけこういった音楽を聴こうと思ってます。