慌しい会津若松散策を終え、16:06発の新津行き列車に乗る。
車では何度も走っている磐越自動車道だが、JRの磐越西線に乗るのは初めて。
福島県では阿賀川、新潟県に入り阿賀野川と名を変える阿賀野川に沿って列車は走る。
磐越自動車道から阿賀野川の流れは、ほとんど見えなくて味気ないので、ある時
平行する国道49号線を通ってみた事がある。
深い緑色した大河がとうとうと流れる様は実に美しく、今度もそれを楽しみにしていた。
イザベラバードも津川からこの阿賀野川を船で下り新潟へ行っている。
「豪雪地帯を抱える阿賀野川水系は全国屈指の水量をほこり、流域に多大な恩恵と莫大な被害をもたらした。」と、Wikipediaにある。
莫大な被害・・・?
水害のような天災であったり、新潟水俣病のような人災であったり・・・。
高校生が降りてしまうと車内はがらんとした。
ローカル列車は高校生の通学のためにあるようなものかもしれない。
三川だったろうか?上り列車とすれ違うが、もう車内の灯りが写り込んで、車窓から写真を撮るには辛い時間になってきた。
それでもこの美しい灰色の世界を撮りたくて・・・。
雪はやみ間なくふり続ける。
暮雪の中、列車は走る。
途中で行程を変えたお陰で雪の磐越西線を楽しめた。
只見線にはかなわないが、磐越西線も絶景路線だ。
19:06東新津着。
東新津駅前にある秋葉温泉「花水」で「きたぐに」の発車時間まで時間をつぶす事にした。
花水は以前にも立ち寄った事があり、温泉だけでなく食事も休憩も出来、3時間ほどの時間をつぶすには丁度よかった。
少し遅い目の夕食をレストランで。
広いレストラン、客は私ともう1組だけ。
もう1組は賑やかに談笑。
端っこに座り、一人もくもくと食べる私。
寂しい・・・か?
強がりではなく、寂しくない。
旅も終わりに近い。
慌しく見て回った鶴岡、金山、山形それに会津若松・・・あちらこちらの情景を頭の中で反芻しながら、いい旅だったと心が弾む。
ハンバーグのせオムライスを注文。
結構なカロリー&ボリュウム。
大浴場に入ると久しぶりに嗅ぐ塩素臭。
加水・加温・循環・殺菌と揃っているが贅沢は言ってられない。
夜行列車に乗る前に夕食もとれ、風呂にも入れるのだから・・・。
「花水」も駅前温泉だなぁ。
露天に出ると雪が舞っている。
- 源泉名:秋葉温泉
- 温度:56.7度 PH=7.9
- Na=3086 K=45.5 Cl=4064 Br=22 HCO3=1062
- 成分総計=8694mg/Kg(H14.7)
- 成分総計=14300mg/Kg H16.12に分析した数値でオープン時より濃くなっている。
「花水」の閉店間際の22:00近くまでねばり、22:08の列車に乗るため東新津駅へ。
小さい無人駅の東新津駅。
駅舎の中もきれい。
暗闇の中、メルヘンチックな世界が広がる。
湯冷めしたくはないけど、ホームで列車を待つ。
新潟まで出て「きたぐに」の乗客となった。
新潟発22:58。
臨時列車で走る事はあっても、私はもう「きたぐに」に乗る事はないだろう。
何もかも済ませて日付が変わる頃に乗れば、翌朝には新潟。
便利な列車だった。
ありきたりだが「有難う、きたぐに」と、言わずにおれない。