待ちに待った越前がに漁が今月初めに解禁された。
冬を彩る味覚の王様で、これから来春までのカニ季節は、テレビでタレントのレポが連日 報道されるはずだ。
最高のふるさとの味覚として、毎年この季節は楽しみにしている。
ことしも知人から早速、旬の『せいこガニ』が贈られてきた。
越前ガニとは、越前の漁港に水揚げされたズバイガニを言うが、松葉がになどと区別して黄色のタグが付いている。
オホーツク海あたりで獲れたズバイガニが、福井県に送られて偽越前ガニとして、土産店などで見かけるが、
ブランド品『越前がに』と区別すべく黄色のタグが付けられたのはいつ頃からだろうか?
ズバイガニのメスである『せいこガニ』は、越前がにとは言わないらしいが、これは格別のあじである。
我々世代は、幼少の頃からおやつ代わりに、毎日のように食べていたのが懐かしい。
確か一匹5円位だったように記憶している。あのむしゃぶりついて食べる食感は堪らない。
今も、甲羅の中に詰まっている内子や赤ミソの味は、何ともいえない。
甲羅に日本酒を注いで呑む「甲羅酒」も絶品である。
以前に、越前海岸の温泉旅館として有名な「こばせ」に出かけたことがあるが、
冬の越前海岸の激しい波音を聞きながらの『カニ三昧』は、最高であった。
特に、開高健がこよなく愛した旅館で、今もせいこガニをふんだんに使った「開高丼」は最高の贅沢だった。
今年は、11月にして北陸には積雪があるようであるが、年が明けての雪積もる福井の冬は厳しいようだ。
この時が、越前がにの食べ頃であり、ことしも越前海岸は賑わうだろう。
浜の知人からのカニ便りを楽しみに待っている。