車でやってくるお魚屋さんと家内のおしゃべりを何気なく聞いていると、ここへ来る途中でお百姓さんに「冬瓜を持て返り」と言われたのを断った話になって、家内が「それはもったいないことをしたね」と言った。
お金を払うと、「まいどありがとう」と言って勢いよく車を出して返って行った。
ものの5分もしないうちに、「奥さん、冬瓜貰って来たよ」と威勢のいい声が響いた。
冬瓜を抱えて入って来て手渡してくれた。
家内はその立派さに、一瞬たじろいだようだった。
それでも夕飯には煮物になってお膳に上がっていた。
味は薄味で、とろけるような感じから少しずつかたさが増して行くような、あまり味わったことの無い食感だった。
かたさにグラデーションがあるような気がした。
畑で獲れたものを1~2時間のうちに味わえるのは最高の贅沢だ。