575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

白桃にいれし刃先の種を割る(橋本多佳子)      愚足

2008年11月03日 | Weblog
 この句の解釈や良さについてはさて置くとして。
 尊敬する山本健吉氏が、この句の技法について述べている。

「この句は動詞終止形で止めた、散文的な直所叙体である。
ことに誓子の即興的な非情の句には、よく調和した表現であった。
たとえば、「夏の河赤き鉄鎖のはし浸かる」のごときがある。
 この表現法は俳句的なイロニックな把握が弱く、悪くすると散文的な
説明調に流れやすいが、切れ字を濫用した大時代な月並み調になる恐れは
少ないわけで、誓子の句のような即物的なメカニックな対象把握には、     成功する場合が多い。」

誓子の句を並べてみた。

 夏草に気缶車の車輪来て止まる
 蟋蟀が深き地中を覗き込む
 麗しき春の七曜またはじまる
 秋の暮れ山脈いづこへか帰る
 雪の富士雪無き裾を長く曳く

成程と思った。そこで身の程知らずは鉛筆をなめたが・・・景が浮かばない!!
コメント (1)
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