575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

カンツバキ(寒椿) 草女

2008年12月26日 | Weblog
1月のお題が寒椿と聞いたので、以前からの疑問を調べてみた。名古屋市の植え込みに多く見られるカンツバキの正体は?
 名前とは裏腹にサザンカの仲間。中国からの渡来説と「シシガシラ」というサザンカの園芸品種からの交配説がある。

サザンカとツバキの分かりやすい違いは、花の落ち方。サザンカの花は一枚一枚になってちるが、ツバキの花は一個ごと落ちる。花のない時期は葉柄の毛の有無で調べるが、なかなか難しい。植え込みのカンツバキは花びらがバラバラになって散っていた。

 歳時記を引くと植物の世界とは異なる世界が広がっている。本来は春の花である。
 椿が冬のさなかに咲いているものを寒椿といい、寒の椿・冬椿ともいう。12月19日海上の森で一輪の藪椿の蕾が大きくふくらんでいて、こういうのを寒椿というのかなと思った。奈良のお寺で侘助が咲いていたが、侘助という季語があるからこれは「寒椿」の中にはいらないのかな。・・・・難しい。

 雪椿は小林幸子の歌で有名になったが、藪椿が多雪地帯に適応した型で、主に日本海側にはえる。雪の重みに耐えるために根本から分岐し、枝はしなやか。4~5月藪椿に似た花が咲く。これも名前とは裏腹に春の季語。ややこしい。

  生きることは一と筋がよし寒椿     平之助
  白といふ艶なる色や寒椿        浩山人
  寒椿落ちたるほかに塵もなし      悌二郎
  山の雨やみ冬椿濃かりけり       白葉女



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