575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

虹彩をしぼりて猫は夏空へ   郁子

2016年07月31日 | Weblog
虹彩とは、眼球のひとみの周りにある円い膜。
伸び縮みして瞳の大きさを変え、光の量を調節します。

  木下闇隣の猫の目が光る

立雄さんの句にあったように、夜行性のネコは暗闇でもモノがよく見えます。
ヒトの目と比べても、7分の1の光の量で十分だとか。
キラリと光るのは、網膜の後ろに反射板があり、光を反射、
網膜に返すことで、わずかな光を倍にして、
暗いところでも鮮明に見えるようになっているとのこと。

この句では、虹彩を絞って、とありますから
目を細めて、あるいは、目を瞑っている状態です。
そして下五の「夏空へ」と続きます。
この飛躍がこの句のポイント、ここに詩が生まれます。

亜子さんが猫は死んでしまったのでは、と言っていました。
作者は、そんなニュアンスも込めて詠んだそうです。
私は、死んでしまった、と直接、詠んでいない点が良いと思います。

           

朝から真っ青な夏空。暑くなりそうです。熱中症に注意ですね。

                          遅足

コメント
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