句集「空性(くうしょう)」の中の一句。
作者は、昭和25年生まれ。町の株屋さんとのこと。
水温む濡れ手で掴む為替益
雲の峰仕手の筋書き詠み切れず
秋風や吹値逃さず指値売り
先物の底値を拾ふ夜なべかな
去年今年塩漬け株はそのままに
一年が経ちました。
のどけしや泡銭にもどつと税
吹値、指値など、業界用語も登場。
押目とは上り相場が下がりはじめることだそうです。
神経をすり減らす仕事なのでしょうね。こんな句も。
ねんごろに胃の腑覗かれ四月尽
タイトルの「空性」とは、インド仏教の祖師・龍樹が著した
「中論」に由来し、すべての現象はそれぞれの関係性の上に
成り立っているとする考え。換言すれば縁起のこととか。
お遍路の句もあります。
花吹雪浴びて同行二人かな
これやこの善根宿の般若湯
唐辛子噛んで色即是空かな
句を詠む苦しさも
ゴーヤ苦しもうあと一句まだ一句
楽しい句集でした。 遅足
作者は、昭和25年生まれ。町の株屋さんとのこと。
水温む濡れ手で掴む為替益
雲の峰仕手の筋書き詠み切れず
秋風や吹値逃さず指値売り
先物の底値を拾ふ夜なべかな
去年今年塩漬け株はそのままに
一年が経ちました。
のどけしや泡銭にもどつと税
吹値、指値など、業界用語も登場。
押目とは上り相場が下がりはじめることだそうです。
神経をすり減らす仕事なのでしょうね。こんな句も。
ねんごろに胃の腑覗かれ四月尽
タイトルの「空性」とは、インド仏教の祖師・龍樹が著した
「中論」に由来し、すべての現象はそれぞれの関係性の上に
成り立っているとする考え。換言すれば縁起のこととか。
お遍路の句もあります。
花吹雪浴びて同行二人かな
これやこの善根宿の般若湯
唐辛子噛んで色即是空かな
句を詠む苦しさも
ゴーヤ苦しもうあと一句まだ一句
楽しい句集でした。 遅足