575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

昇降口子ら弾け散る鳳仙花  郁子

2023年09月01日 | Weblog

「昇降口」が学校と結びつかないと「??」となりますね。

授業の合間の休憩時間をすべて「放課」と言っていたローカルな私ならではの呼び名だったかと調べてみたところ、

1.のぼりおりするための階段のある出入り口

2.校舎などの出入り口で、上履きと靴を履き替えるところ(コトバンクより)

とあり少しほっとしました。

下駄箱の前にザラ板もあったよねと言えば、このザラ板こそ完全に名古屋地域のものでした(笑)

 

いただいたコメントです。

竹葉さん:弾け散るには明るく活発な「子ら」が似合いますね。また、「昇降口」は花が茎にぎっしり詰まった感もあり、子らがひしめいて賑やかな感じが似合っていいと思いました。

童子さん:昇降口という言葉を初めて聞いたので調べました 笑。お昼休みか放課後か。学校の子供達の出入り口での様子をそのままに、夏らしい躍動感を感じる句ですね。

須美さん:昇降口から出てくる子供達のようすを弾け散ると表現しているのが面白い。鳳仙花の種の飛び散りとも合っている。

泉さん:昭和の景色がうかんだ。

 素敵に読み取ってくださってありがとうございます。

昇降口の近くに花壇があります。鳳仙花が見られるかなと思ったら、近くの小学校には緑の綿菓子のようなコキアがありました。別名ホウキグサ。秋になると赤く染まります。植栽も流行りがあるようですね。私の小学校のときは「オジギソウ」がありました。あまり皆が触るのでずっと閉じたままだったという思い出もあります。

 

 鳳仙花種飛ぶときを心待ち  須美

千香子さん:種を飛ぶ時を待っている という言葉から色々 想像しました。友人が結婚、 子供が就職とか 誰かの 成長を期待している、 それを種飛ぶとしたのかな とか 。

 

 鳳仙花パツンパツンとこぼれ落つ  泉

郁子:鳳仙花はタネが弾けるということですが瞬間は見たことがありません。作者はきっとご覧になっているのでしょう。パツンパツンという擬音がとてもきいているように思いました。

 

 

今日9月1日。多くの小中学校で始業式です。

閉じていた昇降口が賑わいを見せそうですが、休み明けの不安から子どもの自殺が増える日でもあります。女優の故樹木希林さんは、亡くなる直前までこの状況を憂いて祈り続けました。この暑さで昇降口から飛び出していく姿も少なくなっているかもしれません。はじける時を願いつつ一日無事でと祈りたいです。    郁子

 

コメント (1)
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