575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

八月や戦時の記憶語り継ぐ  亜子

2023年09月08日 | Weblog

この句をとった千香子さんからコメントをいただきました。

「 女性俳句の世界」を読んでいたら 熊谷愛子

8月6日 ゆっくり 手を見 うしろを見  という句がありました。

 戦争 は2度として欲しくない そのために残しておきたい ということで いつも 戦争 に関する句を 作っているそうです また 12月8日も読み続けているそうです  

千香子さんの思いと同じように、亜子さんも毎年8月に戦争の句を作っておられます。

このブログをさかのぼって見てみました。

 

 八月や白木の箱に石ひとつ 亜子 (2022年)

 置き去りの骨の慟哭終戦日 亜子  (2021年)

 八月や不幸を詫びる兵の遺書 亜子  (2006年) など・・

 

 

自由題で戦争を詠む亜子さんの印象深い秀句が並びます。

兵士の骨が語る虚しく惨い戦争。歪んだ時代に翻弄される親子の情愛など575に刻むことで強く心に残ります。これもひとつの語り継ぎですね。

 

 

 デジタルで横顔浮かぶ広島忌  容子

 

麗子さん:終戦から78年。デジタル加工され色づいた映像が多く放送されました。より鮮明になり見えなかった顔や物が見えました。市井の人々の営みが一瞬にしてなくなった原爆がデジタルで蘇る。デジタルという表現が78年という年月が経過したことを象徴している気がしました。

竹葉さん:デジタルや AIを使うと、白黒で写し出されてた物が生き返って見えるという私のと同じことを詠んでる句でしょうか。

 

その竹葉さんの句

 色写真原爆の子や叫喚す 竹葉

 

童子さん:戦争を繰り返さない為にも、その悲惨さを伝えていかなければいけないのでしょう。

須美さん:色写真というのが悲しさを増すように思う。

泉さん:はだしのゲンを子供達に読んで、戦争について学んでほしい。

佐保子さんもとっていらっしゃいます。

 モノクロだと現実的に思えない若者や子どもたちも、カラー写真になると身近に思えて恐怖を感じるようです。

 

 鎮魂の通奏低音蝉時雨  能登

 

竹葉さん:蝉の声はちょっと高音にも聞こえますが、鎮魂には低音があってますね。

千香子さん:蝉しぐれが 低音に聞こえるのかどうか と思い ましたが 原爆記念式典の映像がみえました。 蝉しぐれの中で ちょうど それが 伴奏のような感じだ と思いました。

亜子さん、郁子もいただきました。

 

じわっとまとわりつくような蝉の鳴き声は、沈鬱な思いとリンクします。私も去年 蝉奏づ哀しみの通奏低音 と詠んだのを思い出します。

式典のテレビ中継のあいだ中 効果音のように聞こえる蝉しぐれ。

日本の戦中戦後の人々の悔いや哀しみが澱となって通奏低音のように聞こえていました。

真の平和を確立するために この先もこの音に耳を澄まし考え続ける必要があります。   郁子

 

 

 

コメント (3)
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