575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

寒がらす湯舟波立ち地震わたる  千香子

2024年02月15日 | Weblog

元日の能登半島地震を詠まれた句が多く集まりました。まず、千香子さんの句。

あの時「寒がらす」が一斉に鳴いたのか、飛び立ったのか。それとも何か悪い予感がしたのか?湯舟が波立つ大きな揺れ。大阪の兄のマンションでも水槽のめだかが飛び出したそうです。かなり離れているのにそれほど大きな揺れだったことがわかります。

容子さん:湯舟の波立ちには地震のリアル感があります。言葉が詰め込まれているのにとても流れが良いと思います。

亜子さん:地震の揺れを湯舟に見たところに感心しました。寒がらすが不気味さを暗示している。

もう一句ご紹介します。

    年始地震輪島塗り椀抱き締めん  竹葉

作者の竹葉さん。「輪島塗りのお椀なんて持ってませんが、毎日見るニュースに心痛めてばかりですので、一句作りました。現地には何の役にも立ちませんね。」とのコメントがついていました。いえいえ被災地に心を寄せる俳句。「抱き締めん」に痛い程気持ちが伝わって来ます。

私も輪島塗りのお椀は持っていませんが、いつの日か必ず応援したいと思います。

能登さん:輪島塗はたぶん、生き延びてくれると信じています。

今はまだボランティアの受付もままならない現地ですが、輪島塗りの職人の技は困難を超えても受け継がれまた復活すると私も信じます。それにしても「地震」を「なゐ」と書くほど日本は昔から地震の被害を受けていたことがわかります。でもここまで発展して来ました。輪島塗りの工房を金沢に移して生産を再開したところもあるというニュースも聞こえて来ました。時間はかかっても必ず復興できるとの祈りを込めて。麗子

コメント (3)
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