575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

虫の闇って    鳥野

2007年09月25日 | Weblog
9月句会の兼題は「虫」。いろいろな虫の秀句を拝見しました。ところで、日ごろから虫についての疑問が。それは季語の「虫の闇」です。

亀も蚯蚓も鳴くという”なんでもあり”で、それがそれぞれに、深い意味を持つ俳句の境地。素人に不可解で当然ですが、そこを明快にしていただきたくて。

   聞き役の虫もいるはず闇深し  松本小蕾

   虫しげきところもっともくらきところ  上井正司

   東大寺裏なる虫の闇深し  源一朝

   虫の闇分つ一灯ありにけり  稲畑汀子

 とあらば、虫の音は暗い所でこそ、というのでしょうか。

それに比べて、短歌(和歌)の単純なことよ。

   わがために来る秋にしもあらなくに虫の音聞けばまずぞかなしき
    古今集・読み人しらず
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2 コメント

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虫の闇 (遅足)
2007-09-24 18:38:07
角川春樹編の歳時記には、虫の闇について
あえて闇をいうのは、暗さを強めて、虫の声だけが
聞こえる様子のこと。
とあります。

入門者向けの俳句の鳥・虫図鑑には、
虫の闇はなく、例句もありませんから、
メジャーの季語ではないかも。

虫は暗いところで鳴くので、
闇とはいわずもがなでしょうね。

  閂をかけて見返る虫の闇  桂信子

この句はやはり虫の闇でないと。

短歌では虫の闇とは言わないのでしょうか?




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こんな所に住めば (草陰)
2007-09-24 19:38:19
それでも処暑(8月23日)の頃と較べると朝夕は、よほど凌ぎやすくなってきた。蝉やきりぎりすの鳴く声も途絶え、夜には「こおろぎ」や「かね叩き」「かんたん」の鳴く声に替わり耳に快く響く。「虫の宿」という詞が俳句にあるがこれは造語であり私はあまり好まない。意味は「虫に取囲まれている家」とでもいうことだろうか。鳴きしきる虫の音のほかは人語も聞こえないような農村地域にある私の家は、隣家といっても田圃一枚を隔てた灯影が見えるだけの、到って不便なところではあるが、美しい音色で鳴く虫だけにはこと欠かない。ここ暫くの間は虫の宿となるだろう。



虫を聴く虫の闇より呼ばれけり   萍洋

 ※ 「逸居さんのブログ」より
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