桔梗。
俳句では、きちこう、とも言います。
(これって変ですよね)
もちろん秋の季語。
立秋は8月8日です。
ところで金沢へ行った話の続きです。
金沢は詩人室生犀星の生誕地です。
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食(かたゐ)になるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
詩集・抒情小曲集のなかの有名な詩です。
犀星にとって故郷・金沢は帰るところではなかったようです。
その金沢にも、最近、ようやく犀星の記念館が出来ました。
そこで知ったのですが、
犀星は、金沢にいた頃、俳句をつくっていました。
そして詩人になった後も、俳句は作り続けたようです。
水に関する句を選んでみました。
近江らしく水光りゐて明け易き
日の中の水引草は透りけり
金沢はでした。
この犀星が朔太郎の「俳句は老人文学」と言ったことに反論して、「俳句は老人文学ではない。」と主張した文章を読んだ事があります。
俳句が若者にも身を委すみずみずしさがあり、俳人の多くは生活者としての壮年でありその重いものをも俳句の精神に潜り抜けさせ様としているのである・・・
句作者としてもかなりのようですね。一度読んでみたいものです。