575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

だんまりのひと日となりぬ枇杷の花  晴代

2025年01月16日 | Weblog

枇杷の花を見たことがありませんでした。調べると黄味を帯びた白い小花で、バニラのような濃厚な香りがするそうです。花は大きな葉に隠れるように咲いているので気がつかないことも多いとのこと。11月から2月にかけて房状に咲くそうです。

そんな「枇杷の花」という季語に、誰とも会話しない一日を重ねたトップ賞の句です。

竹葉さん:あー、一日話すこともなく過ごしたなー、とは一人で寂しかったのかそれとも相手がいながら平穏無事の日常でこんなもんだわの心なのかー、それは実を付けるために冬にそっと白い花をポツポツと咲かせる枇杷の花が語っています。寂しそうに見えてそうでもないと。。かな?

千香子さん:他の果物の花は春に咲くのにビワは冬に咲く珍しいと知りました。さみしさが出ていると思いました。 

容子さん:枇杷の花は寡黙な雰囲気がよく合います。けんかでもしたのでしょうか。

郁子さん:びわの花が、誰とも口をきかなかった一日と合っているように思った。奥ゆかしい物静かなイメージの花だからだろうか。

須美さん:だんまりのひと日が好き。

亜子さん:一日誰とも話さなかった日がある。目立たない「枇杷の花」は淋しげな花でよく合っている。

          ★★★

だんまりの一日。そういえば今日は誰とも話さなかったという日もあるでしょう。高齢化社会。単身の人にはその傾向もあると思います。そんな時そっと寄り添う枇杷の花。花が咲いてから実ができるまで半年以上かかるのですね。初夏の枇杷は甘く、果実にばかり目が行き、花の存在を気に留めたことがありませんでした。それほどまでに存在感を消す花も珍しいですね。でも晴代さんが俳句にすると見事な存在感となった枇杷の花でした。まだ咲いているかな?  麗子

 

 

 

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