俳句つくりの方法である「二物衝撃」という手法が生かされた魅力的な一句だと思います。なーんて、実は最近覚えたての作句法の名称です(笑)
季語をとことん観察して新しい表現や発見を試みる「一物仕立て」に対し、いろいろな事物と取り合わせて妙味を引き出すことができる「二物衝撃」。衝撃という言葉が示すように意外な取り合わせがうまくはまると新鮮な驚きと共感が生まれます。冬の空とは縁がないかに思う(つるっとむけたゆで卵)はまさに衝撃的でした。作者の意図は別の所かもしれませんが、雲一つない冬の空。天球の丸さ。爽快感。五感を刺激され趣きが増す気がしました。佐保子さんも採っておられます。
冬空へぽっとはきだす銀の玉 遅足
実はあまり読み取れなかったのですが、「ぽっ」が気に入りいただきました。感性の鋭さ、神様の視点も感じます。
ぽっと出た銀の玉は何でしょう。普通は白い息でしょうね。ひょっとしたら冬の妖精がもたらす清らかな雪。銀色ならば雪の結晶とか。想像は自由ですね。
亜子さんが、銀の玉は銀杏かしら?とおっしゃったとか。この想像も自由で素敵です。俳句は詠み手と読み手の相乗効果で大きく広がっていきます。来年も楽しく自由に想像の翼をひろげていきたいです。今年一年お世話になりました。 郁子
この一年間、挑戦した兼題とトップ賞をまとめています。乞うご期待!
遅足の句。なかなか痰がうまく出せなくて四苦八苦しているので、こんな句があこがれとして出てきたのかしら?と私は思いました。