575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

雲割って観音堂へさす冬日     遅足

2012年02月13日 | Weblog
冬の京都に観光客を呼ぼうと、日頃は公開していない寺院の特別公開中。
今年は、大河ドラマ・清盛にちなんだ寺院が中心。そのひとつが因幡堂。

このお寺では、高倉天皇に寵愛された小督(こごう)の局の遺品を公開展示。
小督の局は琴の名手。現在の琴よりかなり小ぶりな琴でした。

高倉天皇の正妻は清盛の娘・徳子(建礼門院)。小督の局は、おじゃま虫。
清盛の圧力で泣く泣く別れます。
このエピソードは能の「小督」にもなっています。

因幡堂では、ボランティアの人たちが案内役。
寒いので火鉢2つが置かれていました。
珍しさもあって、しばらく手をあたためました。

薬師観音を祀った因幡堂は、中世には庶民の信仰を集め、
境内は市が立つにぎやかさだったそうです。
その当時をしのばせる「因幡堂」という狂言があります。

ある男、大酒飲みの女房を離縁。因幡堂で新しい女房を、と参籠。
うとうとしている男のところに、女が現れて、
「一条の橋でたたづむ女を娶れ」とささやきます。
お告げの通り、一条橋には被り物をした女が・・・
男は女の手をとって我が家へ。三々九度の杯を飲み干す女。
「大酒飲みの女に縁がある」と覚悟を決めた男。
女の被り物を取ると・・・古女房の怒った顔。
「許せ、許せ」と逃げる男。
「やるまいぞ、やるまいぞ」と追いかける女房。

  火鉢置く観音堂の古畳   遅足

お堂を出た時には、雪の降り出しそうな空から、
さっと冬の日が差してきました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大津絵の筆のはじめは何仏 ... | トップ | 風光る自転車飛ばす高校生 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事