575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

3月句会の投句が集まりました。    遅足

2016年03月16日 | Weblog
題詠「春日傘」

①春日傘母呼ぶ声の転(まろ)び来て
②春日傘子を脇に寄せマダム・モネ
③貝拾う母と娘の春日傘
④春日傘磯をそろりと伝いゆく
⑤貴婦人を真似て背伸びの春日傘
⑥眼鏡橋渡る夢二の春日傘
⑦尼寺の低き門より春日傘
⑧春日傘LOVEと彫られし墓のあり
⑨ほんとうの私になれる春日傘
⑩春日傘さして姉様黄泉の国
⑪春日傘運命(さだめ)を回す出会いかな
⑫地黒には少し恥かし春日傘
⑬印象派の絵画のごとく春日傘

自由題  

①扁額の文字春陰に太くはね
②ふられ猫傷跡なめてとぼとぼと
③跳ね橋の上がり初むるや春疾風
④春の風邪治りて祝いの席につく
⑤春の雲猿が石から生まれた日
⑥明るみの増えて囀ずり匂ひけり
⑦一合の米研ぐ水の余寒かな
⑧やよひ弥生とつぶやきて暖かし
⑨汚染土でお腹膨れて山笑う
⑩鑿(のみ)突けば桜指添ふ磨崖仏
⑪ひとり湯に春潮聴けば乾く星
⑫二人して桜湯前に背すじ伸び
⑬鶯の初音はいまだ整わず

題詠の春日傘は絵画に題材をとる句が目立ちました。
物語を詠みこみやすい季語かと思いましたが。

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保育園落ちた!     遅足

2016年03月15日 | Weblog
この一言が安倍さんを変えました。
保育園の待機児童をなくすと国会で約束しました。

女性のつぶやきをささえたのは表現の自由。
安倍さんを変えたのは国民主権という理念。
ともに今の憲法が国民に保障している権利です。

私も共働きだったので保育所を探しました。
45年以上前ですから、ようやく無認可の保育所を
見つけて子供を預けました。
今回の事件は隔世の感があります。

安倍さんの目指すのは国民を統率する国家。
そんな国家が実現したら・・・
今回のように、ことは展開するでしょうか?

         

父のなき空にひらきて春日傘    遅足


        
         
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絶頂で天下の見えぬ霧の海   井上剣花坊

2016年03月14日 | Weblog
先日、山口県の萩にいった時、句碑をみつけました。
作者は井上剣花坊。萩出身の川柳作家でした。
剣花坊は、萩から上京して日本新聞社に入ります。
丁度、子規らが俳句・短歌の革新に乗り出した頃。
編集長のすすめもあり、川柳の革新を志します。
そして、明治・大正・昭和にかけ活躍。
門人に大衆作家の吉川英治もいたそうです。

山口では、喧嘩っ早い人を「喧嘩ぼう」といい、
そこから「剣花坊」と名乗ったとか。
写真の句は、

  後五百年凡駒生れて又千里

亡くなった昭和9年の正月の句で、辞世の句。
凡駒とは自分のこと。
五百年後によみがえって、また千里を走ると読めます。
仏教から引用した言葉のようですが、
浅学にして意味がよく分かりません。

冒頭の一句。

  絶頂で天下の見えぬ霧の海

絶頂に立てば展望が開けるかと思いましたが、
霧の海で天下はみえない、といった意味でしょうか。
いま日本の絶頂に立つのは同じ長州出身の安倍さん。
本当に日本の百年後が見えているのでしょうか?
それとも霧の海のなかに立ってるのでしょうか?

                  遅足


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上下(かみしも)の音聞き分けて春の橋  郁子

2016年03月13日 | Weblog
目のみえない人にとって世界を音で認識します。
立雄さんは近くの公園を散歩。
噴水が流れをつくって池に。
橋のうえに立ち止まって耳をすますと・・・
どちらに水が流れていくのか?
はっきりと分かるそうです。
私は聞き分けられるでしょうか?
一度、試してみようと思っています。

       

今日は名古屋女子マラソン。
まもなくスタート。
目の見えない方もマラソンが可能になったんですね。
ボランテイアの人は手を繋いで。
きっと新しい世界が開けてくるのでしょうね。


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春立ちぬ子犬顔出す乳母車   立雄

2016年03月12日 | Weblog
まだ寒い立春のころです。
子犬をのせた乳母車に出会いました。
平成ならではの句です。

おじいさんが乳母車を引いて散歩。
ふっと覗くと犬が貌を・・・
こちらも老犬。
「ごくろうさま」
「老々介護ですよ」
こんな風景を、最近体験しました人も。

犬と猫が人間と同等に扱われる時代。
あの五代将軍・綱吉もびっくりポンでしょうね。

  梅が香や自分を人と思ふ犬    稲畑廣太郎

  春光となって消えたる野良の猫  遅足

  猫派と犬派。あなたはどちら?  🐈と🐕  
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塩顔のポパイはサラダほうれん草  郁子

2016年03月11日 | Weblog
しょうゆ顔とソース顔は聞いたことがあります。
しょうゆ顔は、あっさりとした和風な顔。
ほりが深くて、はっきりとした顔立ちがソース顔。
では、新しく登場した塩顔とは?

色白。ヒゲはないか薄い。
顔も凹凸があまりなく、すっきりと。
肌がきれいで唇が薄い・・・・など。
しょうゆ顔のさらに進化したものでしょうか?

食事もあっさり系。サラダも西洋種。
生野菜にドレッシングをかけて・・・

ブルートをソース系とすれば、ポパイはしょうゆ系。
現代社会に適応した塩顔のポパイ・・・。
想像してみるのも面白いかも知れませんね。

        

今日、東日本大震災から5年。
あの時、このままではいけない、と感じました。
5年経って、変わったのでしょうか?
政府や東電の責任は問われることもなく再稼働に。
大津裁判所の仮処分は、こうした大きな流れに抵抗するもの。
普通の人の感覚が通じない政治と経済・・・
どこか狂ったまま、時は流れています。

この夏の選挙は、日本のこれからの百年を決めるでしょう。
5年目の今日、あの時の気持ちを忘れないで。
改めて、そう思いました。
                 遅足




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米寿の会     麗

2016年03月10日 | Weblog
私の大好きな春を告げるシデコブシのピンクの花が咲き始めました。
まだまだ寒いけど春はもうそこまで来ていますね。

先日、なんとかインフルエンザも治り父の米寿を祝うため大阪に日帰りしました。
昭和3年3月3日。3のぞろ目でひなまつりの日が父の誕生日。祖母は絶対女の子と思って産んだそうです。
教育の道一筋で、おととしまで仕事を続けていました。
せっかちで不器用な父ですが、人一倍責任感が強く家族思いの父。今は母の介護を引き受けて家事もこなしています。
「お父さんが毎日介護をがんばっているのだからなんとかお祝いにかけつけたい」と私も病み上がりでしたが必死の思いで出かけました。
当日は暖かく、兄一家も勢揃い。総勢9人でお祝いの膳を囲みました。司会は私。兄のお祝いの言葉、夫の祝辞。

父は元学校長らしく長々と挨拶し「これまでの人生で一番大変だったのは戦争で家が焼けたことだった。」と
山あり谷ありの88年の人生を振り返りました。戦後の復興は教育しかないと思い教員となったそうです。
母に、お父さんに何か一言と催促すると「お父さんと私はもう一心同体だから。。。」と照れていました。

兄嫁の乾杯の音頭でにぎやかに楽しく食事会は進み、父は大好きなお酒を嬉しそうに飲んでいました。
みんなで寄せ書きした色紙を孫が代読しそれを渡すというセレモニーも終わり、なぜか一本締めまでして父の米寿の会はにぎやかなうちに終わりました。

去年の今頃は入院していた母も元気で容態が落ち着いていること、孫達が全員成人したこと、家族全員がそろったことが何より嬉しそうな父でした。

次の日、父からお礼の電話がありました。「あの色紙、リボンをつけて部屋に飾りました」と。
早春の嬉しい一日でした。お父さん、いつまでも元気で長生きして下さいね。


        早春の米寿の会は晴れやかに   麗
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3月句会近づく。   遅足

2016年03月09日 | Weblog
3月の題詠は「春日傘」です。日傘は夏の季語。
春も終わりの頃になると日差しも強く、日傘を持ち歩くようになります。
これが「春日傘」と言う季語に。もちろん、オシャレにも。
春と言っても、どちらかといえば、晩春の季語です。

春日傘をさしてどこを?

  春日傘お初天神通り抜け  前内木耳

どこへ?

  春日傘たたみて人形寺へ入る  今村ふき枝

         

雨。また寒くなってきそうです。
NHKが文通ブームを取り上げていました。
子供の頃には雑誌にペンフレンド募集欄もありました。
平成に入って絶滅したと思っていた文通が蘇りました。
封筒や便箋も美しいものを揃えて・・・。
インターネットにはない時間の温もり。
それが現代人を惹きつけるのでしょうか。

  投函のちょっとそこまで春日傘  遅足


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ほうれんそう指より紅き根を洗う   結宇

2016年03月08日 | Weblog
ほうれん草には、東洋種と西洋種が。
根元が赤いのが東洋種。
最近は西洋種が好まれているとか。
根元が赤いのが少ないわけです。

このほうれん草はもちろん東洋種。
冷たい水で、丁寧に洗っています。
その指は根よりも赤く・・・
観察の行き届いた句。
料理する人(母?妻?)への愛情が感じられる句です。
紅という字が使ってあることから、
マニュキュアの爪という読みも可能ですが。
あるいは作者自身が洗っているのでしょうか?

         

今朝、霧が街を包んでいました。
日本列島のほとんどが霧の中だったようです。
暖かいのも今日までとか。
明日からまた寒さがやってくるそうです。

               遅足

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ほうれん草キッシュの検索にらめっこ   麗子

2016年03月07日 | Weblog
キッシュとは、卵とクリームを使って作るフランスの郷土料理。
パイ生地で作った器の中に、卵、生クリーム、ひき肉や、
野菜を加えてチーズなどをのせ、オーブンで焼き上げる、とネットに。
私は食べたことがありませんが・・・ピザみたいなものかな?

ほうれん草を買ってきて、さあ、つくるぞと意気込みます。
そしてスマホから、作り方を検索・・・と、いう景でしょうか。
現代風景をスナップした一句です。
今では、買い物をしながらスマホで、検索するのも常識とか。
こうすれば買い忘れはありません。便利になったものです。

            

我が家は生協を利用し、一週間の買い物もネットでした。
あなたがよく買うもののベスト5なども表示されます。
食品を管理してくれる冷蔵庫も登場。家電はまだまだ進化中。
スマホを持たない私は旧石器人です。
                      遅足



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祥月や和えて供える法蓮草   晴代

2016年03月06日 | Weblog
祥月は、一周忌以降の、故人の亡くなった月のこと。
2月に亡くなった人の祥月は2月ということに。
作者のお父さんもお母さんも、2月に亡くなられました。
そこで祥月には、法蓮草の和え物を供えています。
なぜ法蓮草の和え物なのか?
お母さんは、料理が苦手だったようです。
お父さんは、何も言わずに食べていらしたそうです。
ある日、作者に「法蓮草の和え物が美味い」と。
供えられた法蓮草には、ご両親があの世でも仲良くという
作者の願いが込められているようです。
ご両親は苦笑していらっしゃるかも・・・

          

私の母がつくってくれた法蓮草のおひたし。
一口分を、海苔で巻いてありました。料理教室で習ってきたもの。
でも、いつの間にか海苔で巻かなくなっていました。
手間の割に評判がよくなかったのでしょうか?
                      遅足


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菠薐草時と空駆けペルシャより   佐保子

2016年03月05日 | Weblog
ほうれん草の原産地はペルシャ地方とのこと。
日本には江戸時代の初めに伝わったとされています。
漢字では「菠薐草」「法蓮草」「鳳蓮草」などと書きます。
ホウレンソウの「ホウレン」の名は、
唐代の中国に「頗稜(ホリン)国」から伝えられたため。
現在のネパールあたりを指すそうです。
頗稜(ホリン)から菠薐(ホリン)となり、
日本では転訛して、さらに「ホウレン」となったそうです。

日本へは、さまざまな食べ物が伝わってきています。
江戸時代には、飢饉対策のサツマイモが。
毎朝、お世話になっています。
南米原産のじゃがいもも、ヨーロッパで多くの命を救ったそうです。

             

今日は公園掃除。これでお役御免となります。
毎月、第一土曜日の朝に。
幸いなことに一年雨に降られたことはありません。
今日もなんとか天気はもちそうです。
                    遅足


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ほうれん草夫婦の夕餉報連相   智恵

2016年03月04日 | Weblog
ホウレンソウという音に2つの意味を発見。
楽しい言葉遊びの句ですね。
「報連相」とは、報告・連絡・相談のこと。
上五、中七、下五と名詞止めで、リズムが切れ切れ。
出来れば、

  ほうれん草夫婦夕餉の報連相

と、した方が良いかもしれません。

「ほうれんそうが会社を強くする」30年前にのベストレラー。
ビジネスには、上司への報告・連絡・相談の3つが大切と説きました。
会社の研修でホウレンソウを説かれた記憶があります。

なにごとにも光があれば陰も。
誰も読まない書類や、上司の満足のための報告も増加。
細かく報告を求める上司ほど、先が読めずレベルが低いという結果に。
無駄な連絡を全社的に禁止している会社も登場。
今ではホウレンソウのパワーも消えたようです。

しかし、家庭での報連相は大切です。
なぜならコミュニケーションをとることに意味があるからです。
中身はある意味、どちらでも良いのです。
アメリカの夫婦が「I LOVE YOU」を欠かさないように。
反省!

           

もうすぐ春分。朝が早くやってくるようになりました。
外が明るくなると目覚めも。
昔の人は日の出から日の入りまで働いたそうです。
冬は労働時間が少なかったのでしょうか?
菜種油が普及すると夜なべも普及していったとか。

退職後は時計に縛られない気楽さを楽しんでいます。

                    遅足



    




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ひなまつり     麗

2016年03月03日 | Weblog
インフルエンザからようやく復活。ご心配をおかけしました。
今日はひな祭り。毎年、知り合いが名古屋のひな祭りにかかせない「おこしもの」を作って下さいます。
鯛や扇など縁起のよい木型に、こねた米粉を入れて蒸し、食紅で彩りを加えたもの。おひな様にお供えして、お醤油をつけて食べたりするそうです。
木型から起こすから「おこしもの、おこしもん」などと呼ばれています。
愛知県ならではのひな祭りのお菓子ですね。

さて、ひな祭りの頃になると毎年母が聞かせてくれた思い出話。

それは母がまだ小学生のころ。家にはおひな様はありませんでした。両親は共働きで帰りが遅いので母はお友達のうちに遊びに行きました。
そこで生まれて初めて立派な七段飾りのおひな様を見た母は、家に
帰ってから一人で紙でお人形をつくり、支えも作って手作りのひな人形を段飾りにして並べたそうです。

その夜、仕事を終えて帰ってきた祖母は手作りのおひな様を見てびっくり仰天!。
寝ていた母を揺り起こし「かよこ~(母の名前)そんなにおひな様ほしかったんか~。」と抱きしめて泣いたそうです。
母はぽかんとして何がなんだかわからず、泣いている祖母を初めてみたそうです。「見よう見まねで作っただけなのに何か悪いことをしたのかな?」と思ったそうです。

それから祖母はその話を親戚の叔母たちに涙ながらに話しました。
かわいそうに思った叔母達がお金を出し合い、次の年には皆からのお金で立派な七段飾りのおひな様が届いたというものです。

子供の頃何度もおひな様の前で聞かせてくれたこの手作りおひな様のお話。今年も母は電話でしてくれました。「母ちゃんは私に淋しい思いをさせていると思ってたんやろな」と懐かしそうに話してくれました。

今年も実家では私のために父がおひな様を出してくれたそうです。両親のありがたみを感じる桃の節句です。

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法蓮草一束ごとのエネルギー  すみ

2016年03月02日 | Weblog
広々とした畑で、太陽の光をあびて育ったほうれん草。
まさに、グリーン・エネルギーのかたまりですね。
食べたら、元気になるような気がします。
「一束ごとの」という中七が的確な把握です。

ほうれん草のピンク色の部分。ここには抗酸化作用のあ
るポリフェノールや、マンガンが含まれているとのこと。
マンガンは、骨や皮膚の形成にかかわる栄養素だそうです。
私は捨てていましたが、もったいないですね。
よく洗って、根元ぎりぎりまで食べるようにします。

           

今日は晴天。朝の冷え込みはかなりのもの。
寒さをついて自転車でお医者さんへ。
血圧も、血糖値も高くなっていました。
甘いものは控えないと・・・・。
                    遅足


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