575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

絶頂で天下の見えぬ霧の海   井上剣花坊

2016年03月14日 | Weblog
先日、山口県の萩にいった時、句碑をみつけました。
作者は井上剣花坊。萩出身の川柳作家でした。
剣花坊は、萩から上京して日本新聞社に入ります。
丁度、子規らが俳句・短歌の革新に乗り出した頃。
編集長のすすめもあり、川柳の革新を志します。
そして、明治・大正・昭和にかけ活躍。
門人に大衆作家の吉川英治もいたそうです。

山口では、喧嘩っ早い人を「喧嘩ぼう」といい、
そこから「剣花坊」と名乗ったとか。
写真の句は、

  後五百年凡駒生れて又千里

亡くなった昭和9年の正月の句で、辞世の句。
凡駒とは自分のこと。
五百年後によみがえって、また千里を走ると読めます。
仏教から引用した言葉のようですが、
浅学にして意味がよく分かりません。

冒頭の一句。

  絶頂で天下の見えぬ霧の海

絶頂に立てば展望が開けるかと思いましたが、
霧の海で天下はみえない、といった意味でしょうか。
いま日本の絶頂に立つのは同じ長州出身の安倍さん。
本当に日本の百年後が見えているのでしょうか?
それとも霧の海のなかに立ってるのでしょうか?

                  遅足


コメント
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