575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

蝶のお返し   遅足

2016年07月16日 | Weblog
霧ヶ峰高原の近くにある八島湿原。
直射日光を避けようと開いた日傘。手先がくすぐったい。
見ると灰色の虫?いや蝶です。
手を動かさずにいると、ゼンマイ条の口を伸ばして汗を吸っています。
一分か二分経ったでしょうか・・・ふっと飛んで行きました。

歩きはじめて間もなくのこと。
戻ってきた蝶は、ちょっと唇にふれて飛び去っていきました。

  こころあるごとくに触れて夏の蝶

ジャノメチョウの一種のようです。


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コメツガの一万年のみどりかな    遅足

2016年07月15日 | Weblog
写真は麦草峠に近い白駒池のコメツガの若木。
新緑の部分が今年、成長したみどり。
寒くて厳しい気候の中、天に向かって立つコメツガ。
八ヶ岳に根を下ろして緑を生き継いできた
時間の長さに圧倒されました。

             

天皇が退位の意向を示されたとのこと。
人間天皇への小さな一歩でしょうか。



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ねこのほそみち    麗

2016年07月14日 | Weblog
猫好きの友人から紹介されて読んでいる俳句と漫画のコラボ集「ねこのほそみち」。(さくら舎)

若手俳人の堀本裕樹さんとイラストレーターのねこまきさんの漫画で、江戸時代から現代までの猫の俳句88句が紹介されています。
猫好きの方にはたまらない一冊です。

   スリッパを超えかねている仔猫かな  高浜虚子

   叱られて目をつぶる猫春隣  久保田万太郎

四季折々のねこの姿が描かれていますが、やはり夏の猫はちょっと少ないかも。
やはり猫のあたたかさは寒い時期に詠まれ、猫の恋や子猫は春の季語だからでしょうか?

ちょっと面白い夏の猫の俳句がありました。

   暑き日や先ず猫が邪魔夫が邪魔  上野さち子

夏休みの茶の間かリビングの掃除風景?堀本さんの解説によると猫と夫を並列に置き、リズミカルに邪魔者扱いしているところが面白いとのこと。確かに!


猫もこの暑さでぐったりとのこと。実際ねこを飼っているといろんな猫の様子が見られるのでしょうが、最近このあたりでは野良猫の姿もなく。。。来週の猫句会の俳句に苦戦しています。

最後に「ねこのほそみち」から私の好きな猫の俳句を紹介します。

    猫の眼のひらいてとぢて遠花火  横山白虹

生まれて初めて見た、あるいは聞いた花火でしょうか?
生まれて数週間、目が開いたばかりの仔猫のひとみはきれいなグレーだと以前,
その猫好きの友人が教えてくれました。
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7月句会近づく     遅足

2016年07月13日 | Weblog
7月の句会が近づいてきました。
今回の題詠は「猫」です。
「猫の恋」や「猫の子」は春の季語です。
ただの「猫」は無季になります。今は夏。
夏らしい猫を詠んで下さい。

こんな句を見つけました。

  夏至過ぎしより王宮の窓に猫   杉山久子  句集「泉」より

  一家に去勢の猫も夜の秋     曽根毅   句集「花修」より

「夜の秋」は土用過ぎの涼しさを感じさせる夜。
夏の季語です。

           

場所は短歌会館地下です。地下鉄「伏見」下車。
1番出口(東出口)より、地下道を通り、E階段を出てすぐ。
午後1時20分からです。昼食は各自、済ませて来て下さい。
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ひとことが長くてぬるいビールかな     能登

2016年07月12日 | Weblog
☆乾杯の音頭にありがちな情景ですね、と智恵さん。
☆乾杯のスピーチは短いほうがいい。「ぬるい」という
適温をはずれた不快な音感が笑えていいです、と郁子さん。

「ではひとこと」と言って、何分くらいなら許されるのでしょう?
3分くらいが良いのかもしれませんね。
30分というツワモノもいるとか。司会者泣かせですね。
ビールもお客も気が抜けてしまいます。

荻原先生にもこんな歌が。

  ビールグラスの泡消えるまで挨拶を続けてあなたが咳払ひして

           

テレビ東京の選挙番組は面白かったようですね。
次回から見ようかな・・・
                    遅足



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ビヤホールダンスパーティーハワイアン    狗子

2016年07月11日 | Weblog
17文字すべてカタカナ。
高度経済成長期を象徴するような句です。
カタカナがまだ魔力を残していた時代でもありました。

会社でハワイアンを聞く会やダンスパーティもあったとか。
亜子さんは弟さんを連れてきて一緒に踊ったそうです。
私が入社した時は労使紛争の真っただ中。
やごやかな空気はありませんでした。

  ダンスシューズホタルブクロノナカニアル   コダマキョウコ

作者は1948年生まれ。団塊の世代。

            

  歳時記を繰る手も重し梅雨の空

同じ作者の句。今日も晴れ、まもなく梅雨も明けそう。
昨日の選挙、改憲派の圧勝でした。
7月10日はブラックサンデーでした。  遅足


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ビアガーデン漆黒駆けよ泡サンタ   智恵

2016年07月10日 | Weblog
私は、夜のビアガーデン。ビールの泡をふっと吹くと、
漆黒の空をサンタのように泡が飛んでいく、と読みました。
作者の意図は少し違っていたようです。

口の周りの泡がサンタさんの髭の様になってる人を見ての一句でした。
トナカイに引かれるソリが、漆黒の夜空を駆け巡る・・・、
そんなメルヘンをイメージしたそうです。

  ビヤガーデン口髭サンタここそこに

ビールはおもに、大麦と酵母とホップからできています。
酵母が、大麦のなかにふくまれる糖分を、アルコールに変えてビールに。
このときに酵母から二酸化炭素が発生、これが泡の正体です。
大麦の中にふくまれるタンパク質に泡を消えにくくする力があり、
このために、サンタさんの誕生となるそうです。

           

昨日の雨はすっかり上がり、晴天。蝉が鳴きはじめました。
朝一番で投票に行ってきました。かなり出足は良いようです。

日本の将来を決定する選挙。74という数字が鍵を握っているそうです。
美味しいビールを飲むのは護憲派か?改憲派か?
8時の時点では分からないでしょうね・・・・

                         遅足



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気がかりなこと晴れし日の缶ビール   麗子

2016年07月09日 | Weblog
☆今、気がかりなことが多いので、ブシュー、と晴らせたら
どんなに快適か、と智恵さん。
☆良かったですね、この句からは、プルタブを引きぬく
軽やかな音も聞こえそう、と郁子さん。
☆どこでも気軽に飲める缶ビールにぴったりな句、と亜子さん。

日本初の缶ビールが登場したのが昭和33年。
当時は、スチール製、缶切りで切り込みを入れて開けるタイプ。
ちょっと鉄の味がしたような記憶もあります。
昭和46年になって、アルミ製の缶ビールが登場。
缶切りのいらないプルトップ・タブ。
これでビールはアルコール飲料の王座に。  

  レントゲン待合室の五月闇

同じ作者の句です。
病院の内装は白が基調。影のないように照明も工夫されています。
しかし人は、そんなところでも闇を感じてしまいます。
そんな闇も晴れての缶ビール。おいしさも格別ですね。(遅足)


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乾杯の夕陽に透けるビールかな   結宇

2016年07月08日 | Weblog
アフター・ファイブ。
仕事を終えて仲間たちと、屋上のビアガーデンに。
午後6時過ぎになってもまだまだ明るい。
「乾杯!」と、高々とあげるジョッキに夕陽の光が・・・

琥珀色のビールが一段と美しく輝きます。
美味しさも格別。
仕事のストレスも吹っ飛んでしまいますね。

日本最初の屋上ビアガーデンは大阪市北区梅田に出来た
「ニユートーキヨー大阪第一生命ビル店」
1953年のことだそうです。
名古屋駅前の大名古屋ビルヂングにもありましたね。
なつかしい景です。
               遅足
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七夕    麗

2016年07月07日 | Weblog
今日は七夕です。
先日、やっと訪れることができた名古屋市科学館のプラネタリウム。
学芸員の方の優しい声での生解説。すばらしかったです。そして、迫力のプラネタリウムの満天の星空。
折しも七夕の解説もあり、名古屋市科学館が始まってから七夕に晴れたのはたった11回だそうです。

旧暦の七夕は8月に入って梅雨の明けていますが、今の暦では梅雨まっただ中ですもんね。


宇宙は果てしなく、その広大な宇宙に存在する無数の星々のことを考えると気が遠くなりますが、そんな星のひとつの惑星になぜか住んでいる私たち。
思えば不思議な存在です。

今見ているまたたく星の光は、光の速度で何年もかかって到達しているって本当にどれだけ遠いのでしょう。
織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)の間も確か16光年も離れているとか!

今夜は待望の晴れとなるでしょうか?

       七夕や光の速度で逢いに行く   麗
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まあまあと一言居士につぐビール   晴代

2016年07月06日 | Weblog
「まあまあ」とか「まずは」という言葉が
くっつくビールは本題に入る前の導入。
相手が居士というので、これからどんな独り言が続くのか。
ホンネかボヤキか、と郁子さん。

句は、作者の勤め先での実体験とのこと。
一言居士の人が飲み会に現れると。
(こういう人、必ずいますね。)
決まって「まあまあ」とビールをつぎに行く
そんな係の人がいたそうです。
こちらの人は職場でも人気があったのでしょうね。
それにしても、ご苦労様です。

      

蓼科から帰ってきました。名古屋はやはり暑いですね。
松本を観光、草間弥生さんの常設展を見てきました。
昨日の等さんのお話ではありませんが、圧倒的な赤の世界でした。
テレビで見ていたのでは分からない部分があるのですね。

                    遅足

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俳句と絵~赤い花は目立ちます (等)

2016年07月03日 | Weblog
俳句を詠むことと絵を描くことは、驚くほど多くの共通点があります。それは共に自分が何に感動し、これをどう表現するかといううことから始まります。

まず絵の場合ですが、静物を描くときは最初に林檎や蜜柑などを持って来て、正確にデッサンし色を塗ります。或は外へ出
て写生をする場合は、大空のもと木や風景を見た通りに描きます。デッサンや写生が上手に出来るようになると、その中に自分の考えや見方を主張し、形をヂフォルメしたり光や影を強調します。もちろん静物では何をどう並べるか、バックは何色にするか、分量はどれ位にするかとか、野外スケッチの場合は、広い景色をどう切り取って、何をメインに描き何を省略するかなどを考えて描きます。

次は俳句です。俳句を詠む場合に一番肝心なのは、何よりも何処に感動したのかのポイントを絞ることです。そしてそれを丁寧に観察し新しいものを発見し、言葉を十分に選んでそれを正確に表現します。その際に絵と同様、何処を捨てるか、何を強調するかなどを考えることは勿論、先回の”姿先情後”で書いたように、自分の考えや主張を如何に打ち出すが大切になってきます。そして絵では出来ませんが、俳句では何度でも”推敲”つまり手直し、作り直しが出来ますので、せいぜいやって下さい。

そしていよいよ最後ですが、絵には色を塗らない余白が必要です。俳句の場合は”言い尽くさない”・・・、読者に想像させる余白、余韻がなければなりません。

最後の最後のワンポイントのアドバイス。絵でも俳句でも「赤}という色、文字が非常に大きな印象、効果があります。一度お試しあれ・・・。
 
 紅梅の手折らば血汐出づるやも (等)
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母逝きし月に咲く花夏椿    佐保子

2016年07月02日 | Weblog
「月」を空にある月と読む人。
いや何月の月で、これは6月と読んだ人。
二通りに読みが分かれました。
みなさんはどちらでしょうか?
私は空に浮かぶ月と読みました。

         

参院選挙の投票まであと一週間あまり。
争点は改憲の是非です。

文法で習った主語・述語の関係でいえば
現憲法の精神は、主語が国民で国家は述語。
つまり立憲主義です。
安倍さんは、これをひっくり返そうとしている。
主語が国家。国民は主語にしたがう述語。
安倍さんについて行くとその先に待っているのは、
朝ドラでやっているような、コワイ世界かも・・・

今日から蓼科へ行ってきます。  遅足
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チョウのただ乗り   竹中敬一

2016年07月01日 | Weblog
 私は障害のある息子と二人暮らしです。高齢ですが
車を運転して隣町のスーパーへ時々、買い物にでかけます。
ある日のことです。夕食用に野菜などを買っての帰り、
車の運転席から前を見ると、左のバックミラーに一羽の
小さな黄色のチョウが止まっているではありませんか。
エンジンをかけても動こうともしません。車をゆっくり
運転し始めましたが、時々、羽を上下させるものの、
器用にバックミラーにつかまったままです。私の家まで
15分位です。幸い交通量も少なく、私はチョウが
飛び立たないよう注意深くのろのろ運転で車を進めました。
なんとチョウはついに、我が家まで乗ってきて、小さな庭に
舞い降りてくれたのです。チョウのただ乗りです。

 その後、どうやらこのチョウは我が家の庭に一時期、
住み着いてくれたようで、いつも決まって白いガーデン用の
テーブルに止まって羽を休めているのをよく見かけるように
なりました。
 澄み切った秋空のある日、私は庭に出てぼんやり空を
眺めていると、あのチョウがどこからともなく飛んで来ました。
でも、飛んでいる姿がちょっと変です。両方の脚で何かを
ぶら下げているように見えました。どうも同じ種類のチョウで
垂直に羽をたたんだままです。私はとっさに仲間の死骸を
どこかに運んでいるのだと思いました。
 そのチョウの姿を目を追っていくと、一本の木にとまりました。
しばらくすると、どうしたことでしょう。死んでいたと思っていた
チョウが両方の羽を動かし始めたのです。
 空中結合していたのです!
心配していたのに、バカバカしい。
あとで、黄色に黒の斑点のあるこのチョウを調べてみると、
タテハチョウの仲間のようです。

           

先輩の竹中さんが原稿を送って下さいました。
早速、掲載させて頂きました。ありがどうございます。遅足


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