世界は長閑ではありませんが俳句の世界だけでも穏やかであってほしいです。
「長閑」投句
① のどかなるメトロノームにみちびかれ
② カレンダー予定なき日の長閑なる
③ 留守番の花がら摘みの長閑さや
④ シャバーニのあくびの仕種のどけしや
⑤ たそがれに妻とのどかな散歩道
⑥ 傾聴の流るる時の長閑なり
⑦ 長閑さやポテトチップス陽の香り
⑧ のどかさや平和ありての猫あくび
⑨ 尼寺の 媚び売る猫は うららけし
⑩ 長閑さやぶらんぶらんの象の鼻
⑪ のどけしや八十路迷ひて燃ゆる花
⑫ 花の下吾子の眠りの夢長閑
⑬ 長閑さや昭和の集ふ喫茶店
⑭ のどけさも眼(マナコ)さえぎる虫いくつ
⑮ ひばり高く矢切の渡しのどけしや
⑯ 長閑さや土手に寝ころびお弁当
自由題
① 絶望と希望のはざま桜咲く
② すりおろすりんごの香り妻つつむ
③ 病める人わがままばかり春の昼
④ 雀二羽さくら花ごと散らしてる
⑤ 春天に 手話で描きし 烏克蘭<ウクライナ>
⑥ 白木蓮や戦地の児等の涙跡
⑦ 級友の距離馴染みゆく若緑
⑧ 約束日千紫万紅花揃う
⑨ 鴇色の傘春霖の交差点
⑩ 五月未だアザレアはかの地ザマスターズ
⑪ 廃村の 愛でる人なき 夕桜
⑫ 流れゆく花の輪二つ残り鴨
⑬ 茜空クレオパトラの豆の花
⑭ 多種多様喜び溢るチューリップ
⑮ 遅き日の外構工事進みおり
⑯ 花筏自由と平和どこまでも