ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

「佳人薄命」という言葉が思い浮かんだ

2019-05-06 21:55:32 | 生き方
昨日は、たきがしら湿原を後にして向かったのは、阿賀町に出かけたらいつも立ち寄る酒屋だった。
いつもどおり寄って、いつもどおりの酒を買った。
「はでっぱの香」というのが、地元で作られる、私のお気に入りの銘柄の美酒だ。

10年余り前、私は、勤務先に近いこの店の近くに宿を借りて住んでいた。
単身赴任先で、高い金を出さなくてもおいしい酒に会えたことは、喜びであった。
勤めの帰りによく寄って、その酒を買って帰ったものであった。

久々にその酒を手にして、店の奥さんにお金を渡した後、少し話をした。
ご主人のことを聞いたら、4月中旬に亡くなったというのには驚いた。
亡くなった原因は教えていただけなかったので、それ以上聞くのもはばかられた。
ご主人は、このはでっぱの香を作るためのメンバーにも入っていて、とても頼れる、感じのいい人だった。
私よりも、ほんの少し年上だったと記憶している。

そのご主人が4月中ごろに亡くなったから、しばらく店も閉めていたのだそうだ。
ようやく連休になってから、店を開けるようになったのだとか。
「私もね、これから店はどうしようかと思っているんだけどね…。」
…さすがに、その問いに対しては何とも答えようがなかった。
「お体を大事にして、どうかお元気でいてください。」
と、そんなことしか言えなかった。

奥さんは、わざわざ店の前まで出て、私の運転する車を見送ってくれた。
頭を下げて、「ありがとうございました。どうかお元気で。」と車窓越しに声をかけて、店を離れた。

店の裏手には、ご主人がよく散歩に連れ出していた犬がいた。
そのさらに裏には、よく世話をしていた植物たちが植えられた畑があった。
特に夏の初めには、キンシバイが大きな花を咲かせていたことをよく覚えている。

「佳人薄命」とはいうものの、本当に、人の命ははかないものだとまた改めて思った。

60代になり、仕事も退職してしまうと、今後の人生に残る時間がどれだけのものなのだろうかと時に不安になる。
人の生き死にのことが、なおのこと気になるようにもなっている。
それゆえ、自身の健康と、一時一時を大事にして過ごしていきたいなと思うのである。
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