地味だな、この花。
毎年咲き始めた頃に見ると、そう思う。
花の色も派手ではなく、冷たく暗い色の青紫。
その名前をチョウジソウという。
最初に聞いたときには、「チョウジュソウ」かと思った。
「チョウジュ」だから、「長寿」で長生きに関係した命名かと思っていたのだった。
でも、それは聞き間違いだった。
正しくは、「チョウジソウ」で、「丁字草」と書く。
花を横から見ると、「丁」(チョウ)の字に似ているところからきたというのが正しい由来らしい。
地味だと思ったが、きちんと咲くようになると、花の形は星の形をしているから、それなりにきれいな花だと気づく。
だが、切り花にして仏壇に飾ると、全然長持ちせず翌日にはダメになっている。
やっぱり奥ゆかしいのかな。
とはいうものの、チョウジソウは、キョウチクトウ科に属するのだという。
キョウチクトウといえば、アルカイド系の有毒物質を有していると、以前話題になったことがあった。
それと同様に、チョウジソウもキョウチクトウ科の仲間だけあって、全草にアルカロイドを含み有毒なのだそうだ。
色が派手なキョウチクトウならその有害性が案外似合っているかもしれないが、このチョウジソウもか。
見た目の地味さにごまかされてはいけない、ということかな。
ともかく、今庭の一角でしっかりとその花をきれいに咲かせ、庭に派手ではない色合いを加えている。